2023年1月15日日曜日

日本における2022年の傑作アルバム15枚

01

Tobokegao「TOBOX」


全曲のメロディが素晴らしいです。あまりCDは買わないのですが、2022年唯一買ったCDがこれでした。ジャケットがとても可愛くて凝っていたため。



02

Kaoru Fukushima「Table Manners」

遠い昔の懐かしい記憶が生々しく蘇ってくるような不思議な作品。1990年代に連れていってもらったデパートの屋上で何かしらの筐体から鳴っていた音か、自我が完全に芽生える前に連れていってもらった那須塩原らへんの温泉宿のゲームコーナーから微かに鳴っていた音か、3歳のときに偶然夜中に起きたときに隣の部屋で流れる深夜番組から鳴っていた音か。




03

bonobos「.jp」


bonobosのラストアルバム。結成20年で最後に過去最高のものを仕上げるのはすごい。


04

Cashewcats「ペ​ン​ギ​ン​夢​想」


歌詞と曲名がすごい。もちろんサウンドも。おしゃれなメロディの1曲目「フラクタル万華鏡」と、疾走感あふれる「セントラルドグマ」が好きでした。




05

耳中華「笑う光」


前作「光のお店」がすごくて、雑誌「Maybe」で紹介させていただいたのですが、それをさらに超えていました。


06

ゴリラ祭ーズ「ゴリラ祭ーズのアルバム」

とても癒されるし、明るい気持ちになれるし、元気が出る。2022年はこのアルバムに結構助けられました。…というと、単なるほのぼの作品と思われてしまいそうなのですが、そんなこともなく、随所に尖った部分もあってカッコよさも満載です。4曲目の「遅刻魔」とかすごい。



07

増田義基「ビオトープ探して」


最初から最後まで驚きの手法やテクニックが次々と登場するので、創作をしている人は特に刺激になると思います。実験的なのですがキャッチーでもあって良いバランスです。



08

Sundae May Club「少女漫画」


「ただただ良いギターロックorギターポップが聴きたい」という気持ちになったときに最適なアルバム。どの曲もメロディがとてもきれいなのですが、特に2曲目の「世界地図征服」は名曲です。



09

橘なつ「mikan1号」


どの曲もとてもキャッチーなのですが、いたるところが捻くれいて、音楽マニアも、非音楽マニアも両方楽しめる、ポップスの理想みたいなアルバムだと思います。全編を通してメロディが素晴らしい。


10

故やす子「加工させし、ユリー=ロッセ」


嫉妬を覚えるくらい歌詞が良いですね。ワードセンスがずば抜けてます。そんな歌詞をボカロに言わせたものを、暴走気味のプログレに乗せるという、なかなか類を見ない音楽です。




11

HIKARI ZION「ZION CALL」


レゲエはあまり聴かないのですが、この作品でレゲエの良さがわかりました。Jah Shakaがやっているようなルーツに近いレゲエで根源的なパワーを感じます。ダークでありながらギラギラした灼熱を感じる「NO CRY」、もんたよしのりに歌ってもらいたいメロウな名曲「NO FUSS」がオススメ。


12

Uncle Texx「IDIOCRACY EXPANSION PAK」

Juke/Footwork系アルバムの傑作だと思います。「ゾンビランドサガ」のキャラソンを使った「Dumbazz Z」、冒頭でいきなり梅宮辰夫「シンボルロック」をネタに使ったあと、急にめちゃめちゃカッコよくなる「Weapon XXX」が衝撃的でオススメです。


13

7セグメント「RECEPTION」


このアルバムを2022年の名盤に挙げている人をちょくちょく見かけますが、これは本当に傑作でしょう。こんなに名曲が揃ってるアルバムは珍しいです。日本のポップス史に残るレベルなのでもう少し騒がれていいと思うのですが、数十年後に再発見されるパターンでしょうか。



14

おとぼけビ~バ~「SUPER CHAMPON」


おとぼけビ~バ~はずっと進化し続けていてすごいなと思います。このアルバムはとにかく感覚に訴えかけてくるカッコよさ。18曲で約21分、ずっとすさまじい切れ味で駆け抜けています。スカッとしたいときやエナジーを吸収したいときにオススメ。8曲目「 I put my love to you in a song JASRAC (あなたとの恋、歌にしてJASRAC)」、9曲目「Don't call me Mojo (呼ばんといて喪女) 」の流れがとても好きです。


15

BUBBLE-B feat. Enjo-G「君に聴かせたいテクノがあるんだ」


何から何まで全部が面白いです。曲の良し悪しは、テーマを決めた時点で確定してしまうのではないかと思うくらい、すべての曲のテーマがいいですね。「このことを歌おう」のセンスがすべてを左右するんじゃないかと感じさせられる作品です。















「独断!日本の全音楽グランプリ2022」ベスト100 結果発表

・私が2022年に日本でリリースされたすべての音源を聴きます。その中から優勝者を決めます。“日本の全音楽”強制参加型J-POP賞レースです。

・お笑い賞レースの形式を模倣して「1回戦(日本の音楽すべて)」「2回戦(500~1200曲)」「3回戦(360曲)「準々決勝(100曲)」「準決勝(30曲)」「決勝(10曲)」と曲を絞っていき、最後に10曲の中からグランプリを決定します。要は「日本の全芸人が強制参加させられ、予選から決勝までの審査をすべて青木1人で担うM-1グランプリ」の音楽版みたいなことだと思ってください。


今年は1カ月ごとに「2回戦進出曲(50~100曲)」「3回戦進出曲(30曲)」を発表していく形式となりました。3回戦進出曲×12カ月分=360曲の中から年末に年間ベスト100を決定します。年末までに僕の価値観、日本の音楽シーンが大きく変わる可能性もあり、それによってランキングも変動します。1月の1位だった曲が年末のベスト100に入らず、1月の30位だった曲が年末ベスト100の上位に食い込む可能性もあります。そのため月間ベスト30はあくまでも暫定的な順位です。


2019年の結果

2020年の結果

2021年の結果



【選者・青木からのありがたくないメッセージ】
※こちらのメッセージは昨年掲載したものと同様になります。1年ぶりに読み返したら、何一つ間違ったことを言っていなかったので、一部を再掲させていただきます。


メッセ①「ベスト100に入った音楽は全部ヤバい」
ベスト100にランクインしているのは約5000曲に1曲あるかないかレベルの名曲なので、どれも本当に素晴らしいです。基本的に一聴すれば「名曲だな」と思える作品かと思うので、それに関してはただただ「聴いてくれ。聴けばわかるさ」と思うのみです。
一方で、一聴しただけではわかりにくい要素が評価されてベスト100に入っていることもあります。「こんなチープな曲の何が評価されてベスト100に入ってるの?」などと思う人の出現が予想される曲は評価ポイントの解説を添えましたので、そちらを読みながらじっくり味わってみてはいかがでしょうか。

メッセ②「音楽を聴きすぎることで逆に視点が偏ってきている」
私は毎日毎日日本でリリースされた全楽曲を聴きながら「何がいい曲か」を考えていました。考えすぎた結果、思考が何週もしてしまい、「カッコいいことはダサい。しかしダサいことがカッコいいみたいな曲ももはやダサい。ダサいからカッコいいことがダサくなった結果カッコよくなっている曲がカッコいい……」みたいなわけわからない捻くれた視点になってしまっていることは否めません。それが正しいとは自分自身も思っていないので、あくまでも「リリースされた全楽曲を聴いた人間はこういうベスト100を作るんだなあ」という面白実験くらい思っていただけると幸いです。「爆笑問題のバク天!」の視聴者コーナーに「日本の全音楽聴いてみた!」という内容でビデオを送った馬鹿な視聴者というイメージです。

メッセ③「名曲は運任せ」
何千曲に1曲あるかないかレベルの名曲はどういうときに生まれるのかをいろいろと考えていましたが、「本人が意図して出している魅力」と「本人が意図していないけど出ちゃってる魅力」が化学反応を起こしているときなのではという気がしています。どちらか一方だけだとグッとこない。両方あっても、それが化学反応を起こしていないとグッとこない。そう考えると名曲を意図して生み出すことはほぼ不可能で、運任せの世界なのかもしれません。

以上を踏まえて、まずはベスト100のダイジェスト動画を作りましたので、こちらをチェックしてみてください。




以下にベスト100曲分を並べてみましたので、まるまる聴きたい人は下記をご参照ください。解説が必要かと思われる曲にはコメントを添えていますが、特に何も添えられていないのは「説明不要。聴けばわかる」という曲です。


100. 完全にOK - ピョンちゃんおkリンピック

2022年5月に始動した女子高生2人組電波系アイドルユニット「完全にOK」。謎が多い存在でありながら、コンセプトや楽曲はしっかりしており、何やら期待できる存在でしたが、同年12月に活動終了。儚すぎます。短い活動期間の中で残した「ピョンちゃんおkリンピック」は、「巫女みこナース」の頃から脈々と受け継がれる四つ打ち電波ソングの系譜をしっかり受け継いだ楽曲で、跳ねるようなビートが最高。オリンピック賛成派も反対派も、いったんみんなで集まって、この曲で踊りませんか。


99. ギャランティーク和恵 - 賀正の恋愛


98. POP ART TOWN - SUMMER NUDE


97. キツネリ - ▷コンティニュー


96. BE:FIRST - Bye-Good-Bye


95. pikomaruko - 淀川fuckまじ臭すぎ

フックは「淀川fuckまじ臭すぎ」の連呼というシンプルな構成なのですが、「よどがわ」の4文字の部分がキックの連打になっていて、「fuck」という言葉を発したとき開放感が増しています。 そもそも「臭い川」に対してFuckを突き付ける曲は今まであったのでしょうか? 我々は誰しもが臭い川と出会ったことはあると思いますが、その臭さはしょうがないことだと最初から諦めてしまいがちです。しかしこの曲は諦めていない。臭いものに「臭すぎ」と通告するパワー、それはまったく侮れないものです。

あと、この曲がリリースされた数か月後、大阪湾から淀川にクジラが侵入して、そのまま死んだ事件あったじゃないですか。この出来事が「淀川fuckまじ臭すぎ」というフレーズを数倍面白くしていますよね。曲そのものの評価が外部の出来事に影響されているというのは、避けられない宿命でもあり、無限の可能性を秘めていることもであるなと改めて実感しました。



94. LAGHEADS - Try (feat. kiki vivi lily)


93. バズ - シャトルラン

幾多の人々にとって忌まわしい記憶として耳にこびりついているシャトルランの音を使用する、まさかの手法で作られたラブソング。「行ったり来たりを繰り返す 二人の恋の行方は」で始まる歌詞もシャトルランに沿っているものの、使われているメタファーなどはそこまで飛躍していないシンプル加減が秀逸。曲のスピードはシャトルランの如く、どんどん上昇して盛り上がり、最後は感動的なフィナーレを迎える。バズさんのオリジナル曲第1弾らしいのですが、いきなりこの曲を作ってしまうのは、とんでもない才能なのでは。

余談ですが、僕はシャトルランが大好きで、前日の夜から眠れないほど楽しみでした。だから、この曲を気に入っただけで、嫌いだった人からすると虫唾が走ったりするのでしょうか。


92. 金浜菜夏美 - 流星夜


91. あんちろちー - あんちろちー!

個人的名曲「Get Down」を生み出したアイドルグループ・グーグールル。同グループは2021年4月に解散しましたが、メンバーのうちの3人が新たに結成したのが「あんちろちー」でした。しかし、あんちろちーも2022年6月に活動終了。儚すぎます。あんちろちーがラストシングルとして発表したのが、グループ名を連呼する楽曲「あんちろちー」。これはジャルジャルが「M-1グランプリ」ラストイヤーの最終決戦で自分たちのコンビ名を連呼するネタを持ってきたのと同じ熱さを感じました。あとアニメの最終回がタイトルそのままみたいな。サウンドでは、サビのベースの「ブリ~ン」と上がるところがループされる部分が独特でポイントが高いです。


90. 日食なつこ - vip?


89. MAGICAL SPEC - HAPPY SMILE

かねてより、「名曲とは、サビ後の間奏がよくて、そこで感情が一気に揺さぶられる曲」なのではないかという持論を展開し、この世の全員に無視されている私ですが、この曲はその典型ではないでしょうか。 サビで感動100%にしようとするよりも、サビで感動90%台まで持っていって、間奏に入る瞬間に100%にしてイカせるのが一番気持ちいい。サビで限界まで盛り上がりきらず、”盛り上がりの寸止め”みたいにしていて、サビを歌い終わった後に哀愁漂うシンセの音が入ってくるとことでこちらの感情をもっとも揺り動かす。この「HAPPY SMILE」もサビ直後の開放感がキンモキモキモキキキモティー。


88. 空気公団 - 大切な風景


87. 虹のコンキスタドール - BE MYSELF


86. THE SUPER FRUIT - Seven Fruits


85. ジャパニーズ マゲニーズ - Adrenaline (feat. Young Coco & Jin Dogg)


84. JIN CROMANYON - Robot education-ロボットの頭の中身-

名盤「Alles ist gut」を発表したときのDAFのような禍々しさがありますが、NHK教育で流したら子供に受け入れられそうな童謡っぽさもあり、結果的にかっこよさとキャッチーさがいい塩梅で共存しています。あと「命令をくれぇぇぇい」という歌詞がライスのコントを思い出して笑えます(例え心の奥底は寂しかったとしても)。「ロボットのことを歌った曲にハズレなし」という法則が成立しそうです。あとは「コンピューターおばあちゃん」しか思いついてないのですが、2つもあれば十分でしょう。


83. ATARASHII GAKKO! - HANAKO


82. KINJINAL - だ☆だ☆だ☆だいすき


81. 名称未設定フォルダ - FIRE PLAN


80. Anobuta - Pinhead

何十本もある頭のねじをすべて取り外さないと出てこないのではないかというフレーズが頻出。例えば「そぼれBaby! Suck my印!」「ドジョウの首を伸ばし カブをこまし」「竹が煮えなきゃ、まず手で 白湯をしばいてX-rated」など。またサウンドも、大事な部品をすべて取り外してしまった家具のような虚無感とソリッド感があります。語弊があったら申し訳ないですが、ヨダレを垂らしながら聴くと気持ちよさそうな、そんな音楽です。これ本当のことを言ってるので、実際に洗面器を用意して本当にヨダレを垂らしながら聴いてみてください。


79. SAKA-SAMA - E.S.P.


78. valknee - Scrapbook


77. 寺嶋由芙 - 愛ならプロペラ


76. 神田莉緒香 × ORESKABAND - SURVIVOR


75. MEMEMION - 居場所


74. L.F.O. - Under the rose


73. 徳永憲 - 肘鉄


72. ヒエポポン シスターズン - スーパーボール

女性4人・男性3人というあまり聞いたことのない編成で、フロントマン(?)の2人は女優という、誰がどう呼びかけてどう集合したのかが一切予想できない不思議なヒエポポン シスターズン。得体の知れない存在感と、不気味さすら感じさせる底抜けの明るさはかつてのBOaTを感じさせます。ただBOaTは高い音楽性を随所にチラつかせていましたが、ヒエポポン シスターズンは高い音楽性があるのかないのかも微妙にわからない。 「スーパーボール」はイントロのサイレンのようなキーボードが特徴。そして、とてもポップなのによく聴くと歌メロがほとんどないことに気付き、なんだか怖くなります。怪しくドープな雰囲気を精一杯出そうとしている曲は微笑ましいですが、こういう明るくて意図不明な曲は背筋がゾクゾクして、いつの間にかハマってしまいます。


71. 那須ワイルドボーイズ - Furin Kazan

栃木県の那須から誕生した奇跡の兄弟・那須ワイルドボーイズ。 兄のItaq氏はズバ抜けたラップのうまさを誇る説明不要のアーティスト。「Furin Kazan」に関して言うと、「高速なのにネットリしている」という両立不可能と思われていた芸当をやってのけています。これは海外のグライムやドリルをベースにしつつ、日本独自のグルーヴを取り入れようとした結果、生じたものかもしれないし、そうではないのかもしれません。この曲に限らず、Itaq氏はさまざまな作品を咀嚼・吸収しているのがわかる一方、「絶対に自分のオリジナティも付随させる」という執念を感じられて、猿真似で終わるアーティストが多い日本の音楽シーンにとって非常に頼もしいです。「オリジナリティを出すのは表現者として当たり前だろ」という意見もあると思いますが、その当たり前ができないアーティストがビックリするくらい多いのが今の音楽シーンです。 弟のダーティー清宮氏は昨年から急速に覚醒しつつある期待の存在。ラップスタア誕生の応募動画で他の応募者たちの追随を許さない圧巻のオーラを放っていたのは記憶に新しいです。「街にいるヤバい人」のグルーヴを取り入れた狂気のラップは「Furin Kazan」でも存分に発揮されています。 テクニックの兄、パワーの弟みたいな書き方をしてしまいましたが、ダーティー清宮氏も随所でテクニカルなことをしてくるのでまったく油断できません。


70. 滝原さや - 怒リング

1990年後半~2000年代前半の匂いを感じさせる謎のVTuber・滝原さやのアルバム「基​本​の​使​い​方」の収録曲。この作品、今年のベスト10に入るくらい素晴らしいアルバムでした。BEEP秋葉原系といいますか、レトロPCゲーム特有の美学をアートとして持ち込んでいる感じ。むしろ「アートにならないように気を付けている」ような、そのくらい繊細な部分を突いてくるので思わず唸ってしまいます。正直、魅力をうまく言葉にできないので、滝原さんのYouTubeチャンネルをいろいろ巡ってみるといいと思います。


69. カニ研究会 - 蟹光線

カニ研究会は日本海出身のシンガー兼トラックメイカーだそうですが、それ以外の情報はあまり出てきません。 歌詞は「蟹工船」→「蟹光線」→「蟹ビーム」という変換が鮮やかで、フックのフレーズ「蟹光線 蟹ビーム」は音の響きが非常に気持ちいいです。トラックの作りも基本に忠実ながら丁寧。かわいらしいアートワークも自身で手がけているということで、全体を通してのプロデュース能力の高さを感じさせます。カニ研究会、まだ2曲しか発表していませんが今後要注目の存在です。


68. SHIROKUMA - 大人になっても


67. $pesia - コンビニ前でドリフトすんな!!!!!!!!!! (feat. をのだ)

ヤンキー文化再評価の熱が沸々と湧き上がってきたタイミングで、それに冷や水を浴びせる1曲。投げやりな感じがいいです。


66. RHYME - Deep in Tokyo II


65. ベッド・イン - Midnight Taxi


64. 7セグメント - Jealousy


63. OOPS - SLOW BURN


62. 古内東子 - 動く歩道


61. HIKARI ZION - NO CRY

レゲエミュージックも時代と共にどんどん進化していますが、この曲はもっとも原始的なレゲエの魅力を煮詰めたような非常に生々しい内容です。呪術的かつ咆哮に近いボーカル、アフリカの灼熱を感じさせるようなジリジリとした質感、そしてヌッチョリしたグルーヴ。UKルーツの先人たちの魂が乗り移っているようで、呪術的ですらあります。


60. ミミミユ - Inner Down


59. 窒圧5トン - 胡乱PINK


58. .BPM - Dancin' Chicken

ユーロビートと昭和歌謡の要素をミックスさせており、良い意味で絶妙なダサさをよくここまで出せたなと感心してしまいます。東南アジアの大衆向けポップスの要素も入っている? 日本の音楽シーンになんの捻りもないK-POPコピーが増殖していることを考えると、このラインをつけるグループはとても貴重。ダンスもヤバいです。


57. 日本カリアナ音楽会 - 福の神の祈り(カリアナ祭典曲)

「誰が作ったのか」「どういう意図でやっているのか」といった情報は音楽に付随しているものではなく、音楽に内包されているものだと思います。だから音が鳴ってなくても「音楽」は成立します。そんな“概念系”の音楽で今年もっともイカしていたのが「日本カリアナ音楽会」というプロジェクトだったのではないかと思っています。「カリアナ音楽」は下記ブログで知られざる小国の伝統音楽として紹介されており、音楽の自由さや無限の可能性を存分に思い知らせてくれる素晴らしい内容です。延々と音質がどうたらこうたらグチグチうるさいアジカンの方にもぜひ読んでほしいです。

↓曲はこちらのページで聴けます。 https://note.com/epocalc/n/n5298f009c497



56. Lilla Flicka & 新音楽制作工房 - 大人なんだから

ジャズアーティスト・Lilla Flicka(加藤咲希)と、菊地成孔が代表を務める音楽制作プロジェクト・新音楽制作工房のコラボ曲。非常に乙女チックでポップな曲調とMVなので、最初は萌えアニメのキャラソンなのかなと思ったのですが全然違いました。聴き込むと、歌詞に潜むソリッドな部分や、音の作り込みの深さが滲み出てきて「これは何周もしてるやつだ」と気付かされます。 菊地氏は直接関わっていないとのことですが、不思議とSPANK HAPPYに通じるメルヘンチックな世界観があるので、SPANK HAPPYが供給不足だという人には刺さるかもしれません。


55. agata - maybe agata is silly now fuck i gotta stop changing the title of this track burh sob


54. 長嶋水徳 - serval DOG - - iii


53. Milk Talk - Transistor Lover (XL Middleton Remix)


52. 穂ノ佳 - あの種子


51. GORDON - ecru


50. Reichi - トメ・ラレ・ナイ


49. Gambit - 結惚れ


48. YMCK - イチオクブンノイチ (YMCK Piano & Strings Rearranged)


47. むしゃたろう - MUSHATARO WORLD

“熊本ゆるふわVtuber”の「むしゃたろう」のオリジナルソング。キャラクターがかわいいのもあるのですが、この曲のMVを見ているとむしゃたろうと過ごした大切な日々を思い出して、泣きそうになってくるのです。むしゃたろうと過ごした大切な日々なんてないのに! むしゃたろうの声がかわいすぎるのですが、お察しの通り、むしゃたろうのゲーム実況は癒し効果抜群です。


46. 札幌のギャグ男 - HIKARI (feat. 漢 a.k.a. GAMI & Phonk Gee)


45. 3776 - 五三


44. わーすた - The World Standard Dancing Club


43. vio moon - Kill my enemy


42. LieDeeDonk - 新入生歓迎会


41. 橘なつ - ガマガエル


40. Umnoise - 優しさの在処


39. BUBBLE-B feat. Enjo-G - Enjo-Gの香水

2019年5月リリースの瑛人「香水」を2022年3月にカバーして発表するという、カバー史上最高(最悪)のタイミングの曲。そのあと、さらに野性爆弾くっきー!が2022年9月に「香水」をカバーして「香水をやるタイミングがすでに面白い」「このタイミングで出す香水は天才くっきーの真骨頂」というコメントがついていたのですが、個人的には2022年3月にカバーしたほうが面白いかなと。2022年9月だと遅すぎて、「今さらやってるの面白いでしょ」的なあざとさが若干出てしまっている気がしました。半年でも面白さがだいぶ変わってしまうくらい、タイミングって繊細なものなんですね。

「Enjo-Gの香水」はEnjo-G氏のお馴染みのダミ声を堪能できるます。前半のアコースティックな部分だけでも十分満足なのですが、後半からの盛り上がりでダメ押ししてくれて、魚料理をメインだと思って食べてたら、ステーキ出てきた!みたいなうれしさがあります。


38. 畑亜貴 - 恋より近くていいのかな


37. 原由子 - スローハンドに抱かれて(Oh Love!!)


36. E.scene - Shimmer


35. ODD Foot Works - I Love Ya Me!!!


34. 一瞬しかない - わたしのプリズム


33. Satanicpornocultshop - Shit Shit Pitchan


32. tomato star - COOLが止まらない

tomato starという、1999年頃から楽曲、アート本、映像作品、詩を制作し続けているアーティスト。作品の形態は多岐にわたり、公式サイトを見れば、1人でこんなに膨大な量の作品を放ってきた人がいつのかと驚かされます。「COOLが止まらない」は、確かにCOOLが止まってない曲。


31. 耳中華 - まとめ

昨年も言いましたが「聴いてくれ、そして感じてくれ」しか言うことがない稀有な音楽。たまに「ただ『ヤバい』だけど抽象的な感想は作り手に失礼」「ちゃんと言語化しろ」みたいに怒ってる人がいますけど、アートをすべて言語化できると思ってるのだとしたら、それはあなたがアートを見くびりすぎだろうと思います。 耳中華さんの新アルバムも、ただ「ヤバい」だけの素晴らしい作品でした。ここまで振り切っていると、アーティスト本人も自分の作品のヤバさにゾクゾクしながら作っているんじゃないかなと思ってしまいます。


30. 増田義基 - 国歌斉唱 (feat. samayuzame)


29. Uncle Texx - Dumbazz Z


28. 柴田聡子 - ジャケット


27. ムーンライダーズ - 再開発がやってくる、いやいや

HASAMI groupが現在、メインのテーマにしているのが都市の情景を社会地理学の観点から描くというもので、「不思議な都市計画」「パルコの消滅」「道と記憶」「詩とスマートフォン」「IQ500の蕎麦屋」などが顕著です。これと同じことを超ベテランで偉大なグループ・ムーンライダーズがしていて、僕は1人で勝手に感動してしまいました(涙を小瓶に集めて池に浮かべました)。

ムーンライダーズのメンバーのマイクリレーが聞けるのも注目ポイントなのですが、なんといっても当たり前のような景色がどろどろと溶けて無くなっていってしまいことへの哀愁、郷愁、諦念のようなものが非常に良い味わいです。僕の何倍も生きてきた方々なので、HASAMI groupよりも断然リアルです。暗いだけ終わっていないのも良いなと思うのですが、実は暗すぎて明るく見えているだけなのかもしれないとも思ったり。


26. パピプペポは難しい - 一軒家住みたいな

貧困化の歯止めが利かなくなっている日本ですが、「一軒家住みたいな」はそんなムードを真正面から反映させています。「爺ちゃん婆ちゃん 課金マシン」「居間のテーブル受験」「理想の人生設計 ハードル高すぎ」「温暖化は進む どんどん節電節電」といった焦燥感を煽るフレーズを、日本が一番豊だったバブル時代に流行ったレイヴ調の楽曲に乗せて歌うという皮肉。MVもジュリアナ的に扇子を振り回しているのですが、内容は貧困を反映させた歌詞なので“失われた30年”を暗示してしまっています。どこまで意図的なのかはどうでもよく、この曲が2022年に生まれたのが必然。ただそれだけなのだと思います。「夢みたい正気じゃいられない」という歌詞も若者に重くのしかかる現実を端的に表現しています。「夢見る少女じゃいられない」のオマージュなのでしょうか。


25. KITACO - 始発


24. C子あまね - water


23. 豊田道倫 - 戦火の中を-2022


22. chil nas is - 淡

自分の理解が追いつかない曲に出会うと「えっ…これは何?」と思考停止する瞬間がありますよね。この曲はイントロの轟音の時点でヤバいかもと思ったのですが、ボーカルが入ってきた瞬間に「えっ…これは何?」ってなりました。20秒くらいしてようやく「天然モノのすごいやつかも」と理解が追いついてきました。 chil nas isさんはかなり狂暴な人なのではないかと思ったのですが、彼のnoteを読んでみると、朗らかな文体で安心しました。いや、むしろ不安になりました。


21. BUBBLE-B feat. Enjo-G - 箱根走った人だろ


20. Cashewcats - 不明なエラー


19. 浜崎容子 - 愛は目立たない


18. Sundae May Club - 世界地図征服

世界中の変わった音楽を聴きまくっていると、今さら日本の正統派のギターロックを聴いても何も感じず、自分でも不感症みたいで嫌だなと思っているのですが、Sundae May Clubはそんなこと一切感じさせなぁぁぁい!(「小さすぎて読めなぁぁぁい!」の言い方) メロディや歌詞などすべてがストレートなのですが、それがボーカルの浦小雪さんの伸びやかな歌声の魅力を増幅させていて、曲全体がキラキラと輝いています。これだけ爽やかで良い曲を食らうと、ちょっと自殺したくなるかも(いい意味で(自殺にいい意味なんかない))。


17. MO MOMA - Roll

https://www.youtube.com/watch?v=f1Xm8go4mEQ


16. Kaoru Fukushima - Crank Call《イタズラ電話》

脳の奥深くに眠っていた幼少期の記憶が掘り起こされるような楽曲。どこかで聞いたことがある。1990年代に連れていってもらったデパートの屋上で何かしらの筐体から鳴っていた音か、自我が完全に芽生える前に連れていってもらった那須塩原らへんの温泉宿のゲームコーナーから微かに鳴っていた音か、3歳のときに偶然夜中に起きたときに隣の部屋で流れる深夜番組から鳴っていた音か。暗い部屋で延々と聴いていると、なぜか心が揺さぶられ涙が出そうになります。


15. 梅本佑利 - 萌え²少女

ご本人の解説が理解に便利です。


14. ユカリサ - Signal


13. bonobos - 永久彗星短歌水


12. KOTOKO - ♡sweet×spicy♠︎ Valentine


11. ゴリラ祭ーズ - 寝ても覚めても


10. カブトムシ - Flower


9. innes - FEELINGS


8. TEAM SHACHI - 江戸女


7. TISSUE TISSUE BOY - 微弱振動


6. takezoo - waltz


5.  (夜と)SAMPO - 嫉妬


4. 星宮とと, TEMPLIME - skycave


3. LEX - 大金持ちのあなたと貧乏な私


2. 結音 - Telepathy


1. BEYOOOOONDS - Hey!ビヨンダ


ということで1位はBEYOOOOONDS「Hey!ビヨンダ」でした。大名曲。

ところで、さっきからあなたの背後に立ってる女性は誰?