2022年7月2日土曜日

HASAMI group「metamorphosis3」解説

HASAMI group「metamorphosis3」

https://hasamigroup.bandcamp.com/album/metamorphosis3


02.TABASCO take.2

原曲があまりにも歌詞が少ないので、今回は大幅加筆してみました。「ヨントン」という言葉は最近覚えたものですが、すぐに使ってみました。「どんどんどんドンキ ここだけホーテ」は高校1年生のときに友人の間で流行ったフレーズです、一瞬下ネタかと思いますが、そういうわけでもなく意味はありません。「まったく意味がない」というところに惹かれて、今でもたまに言っています。


03.鬼胎の花 take.2

90年代のドラムマシンで作る4つ打ちをイメージしてみました。音程が一切上下しないこのベースラインは4th album「death beat & guiter」の収録曲「血」をイメージしていますが、そのアルバムを世に発表していないので、これを言ったところで誰もわかりませんし、例えこれが嘘だったとしても誰も気付かないのです。


04.MPD-妄想コンストラクション take.2

「MPD-妄想コンストラクション」は10年くらい前から、いつかもう1度作り直したいと思っていたので、この機会にアレンジをあまり変えずにリテイクしました。原曲のリリックは意味よりも語感を重視して書いたのですが、当時の作詞能力が今よりも低かったのでそこまで気持ちいいものにできませんでした。今回は歌詞を加筆したのですが、ちゃんと納得できるほど、気持ちい言葉運びができたと思います。原曲は6分超えで非常に退屈ですし、端折れるところが山ほどあったのでカットしまくりました。結果、4分台に収まりました。ダラダラ長い曲が嫌いなのに、それを自分でやっていたんですね。


05.EVERYDAY take.2

「疾走感+ザラザラノイズ+ピアノ」というHASAMI groupお馴染みの3点セットを恥ずかしげもなく使ったアレンジです。このタイプの曲はやり尽くしてしまって、「冬の朝に制服で君は」を最後にやっていないのですが、軽い気持ちで作れるmetamorphosisだったらやっちゃうよといったところです。原曲のほうが7倍くらい好きです。


06.もう一度学校に行きたい take.2

もともとの「もう一度学校に行きたい」は未発表曲なのですが、一応完成はしていて、僕は普段もよく聴いてるので、それを作り直りました。それはもはや新曲なのではという声もあるとかないとか。最小限のフレーズをひたすらループさせて、音もとても聞きづらくしてみました。これは「音が悪い」ではなく「聴きづらい」のです。「聴きづらい=悪い」わけではありませんので、「HASAMI groupは音質が悪い」みたいなことを軽々しく言わないように。


07.毒リズム take.2

Perfumeの「ポリリズム」がリリースされたのが2007年、HASAMI groupの「毒リズム」が発表されたのが2008年らしいです。14年後、30歳の俺が「毒リズム」をリテイクしているとは当時高校1年生の自分は思いもよらなかったでしょうし、もしそれを知ったら相当気持ち悪がるでしょうね。パロディにも旬がありますが、旬を過ぎたときにやるパロディが一番面白いです。しかし、今回の「毒リズム」」に関しては時間が経ちすぎて、面白いのか、面白くないのか、わからなくなっていますね。


08.エグすぎる take.2

原曲はリズムをかなり工夫してこだわってので、take.2ではまったく工夫がない、一番しょうもない4つ打ちにしてみました。「原曲を超えない」というmetamorphosisのコンセプトにしっかり乗っ取った「劣化バー(劣化+カバー)」だと思います。ご時世柄、新宿でお笑いを観ることもすっかり減ってしまいました。新宿バティオスで笑いすぎてひっくり返ったら、ドミノ倒し的にパイプ椅子が崩れて大惨事になったりするんですかね?


09.Overheater take.2

2019年にライブをやったときのアレンジをなるべくそのまま収録してみました。原曲はサビの部分の歌詞があまり気に入っていなかった(というより意味わからない)ため、書き直しています。特に悩むことなく、「I Love Youを連呼すればいいや」と1秒で決まりました。瞬発力は大事です。ライブをとにかく盛り上げようとしていることが伝わってくるアウトロのアレンジも微笑ましいです。


10.おとぎばなし take.2

青木龍一郎 作曲活動20周年記念EP「雪の日」は個人的に大変気に入ってるEPなのですが、反応が各段に少ない作品でもありました。実はこの作品は6曲すべてを1日で作りました。構想があったわけでもなく、頭の中ですら1ミリも何も考えていない中から1日で作ったのです。途中、昼寝もしたので実質5時間くらいで作られたといっていいでしょう。公開当時はそのことを売りにしようかと思ったのですが、「短時間で作られた曲」というバイアスがかかってしまうため、特にその事実は公表しませんでした。


11.Nomiya Kentaro Is My Angel take.2

原曲はリズムや音使いが大変気に入っているのですが、そのよさを全て排除し、チープなポップへと悪しき変貌を遂げたのがこのリテイクです。この気持ち悪いボーカルは「スナックから漏れ出てくる酔っ払いのおっさんの歌回し」をイメージしています。ヘロヘロで声がすぐ上ずっちゃうんですね。ちなみに、これをカッコよく極めると晩年の萩原健一になります。2番に入ると急に元気がなくなっているのも注目ポイントなのですが、単純に飽きてしまっていて、「早く終わらないかな」と思いながら歌っています!


12.GALAXY HIGHWAY take.2

原曲は「ダサいと思うことをすべてやる」というコンセプトで作られました。具体的なポイントは「ダサすぎるリフ」「ひねりの1ミリも無いリズム」「噛んだりズレたりしても撮り直ししない適当一発録音」「細かい部分を作りこまない」などです。ただ、ダサさを突き詰めると逆に魅力が生まれてきてしまうんですね。なので今回はさらにその一歩先をいくため、「ダサくもカッコよくもない一番微妙なアレンジ」を目指してみました。「ダサい」と「カッコよさ」のちょうど中間を行く、リアクションの難しい曲に仕上がっているかと思います。これは高等技術ですね。


13.コマス癖 take.2

こちらも12曲目と同じく「ダサくもカッコよくもない一番微妙なアレンジ」を目指してみました。まさに実験ですね。これはボーカルを絶妙に心地悪い音量の小ささ、そして聴きづらさにするという技を使ってみました。例えばボーカルの音を小さくするのは初期Number Girlのようなサウンドだと非常にハマるのですが、このくらいスカスカなトラックでやると、なんだか居心地が悪いです。


14.Internet Lovers take.2

ザラザラノイズパンク系の音は「Sweet Pite」「Dude Kids」「ナイトウォーク」「首都J」と進化させてきて、「カズマの面白FLASH倉庫」を最後にやらなくなったのですが、それを久々にやってみました。初期HASAMI groupの雰囲気を存分に味わえるかと思います。味わって得をするものでもないのですが…。


15.特盛!万引きイスカンダル take.2

いわゆる「チョップド&スクリュード」をユーロビートにかけたらどうなるのかという実験的な曲にしています。別にチョップドはしてないのですが。僕がチョップド&スクリュードを知ったのは確か小学生の頃で、DJ ScrewではなくDJ Michael “5000” Wattsのミックステープで始めれ触れた記憶があります。ユーロビートはまさにその頃に流行っていた音楽で、アンダーグラウンドなヒップホップにハマっていた小学生の僕は「なんて低俗な音楽なんだ」と毛嫌いしていました。その20年後、自作のユーロビートをチョップド&スクリュードするとは思いもよらなかったことでしょう。おい高校生の龍一郎、僕、ここまできたよw


16.カニ take.2

HASAMI group史上No.1の駄作ということになっている「カニ」をノリノリな感じにアレンジしてみました。「metamorphosis3」は「軽薄」が全体的なテーマになっていまして、それを特によく表していると思います。最近の邦楽は軽薄さを避けようとしすぎていて、「舐められないための音楽」「すごいと思われるための音楽」という側面がより強くなっている気がします。サウンド的には情報量の多さや音の圧で攻める系ですね。black midiはカッコいいですが、これからの日本には「浅いblack midi」「分かってない人がやっているblack midi」のような音楽が増えていくと予想されます。そんな中、軽薄さを一切恐れない音楽をやってる奴が一番怖くて強いんじゃないかと思っていて、例えば「カニ」のような曲を自信満々に発表する奴が今一番ヤバいんじゃないでしょうか。皆さんはどう思うか。


17.LADY take.2

こちらも2019年のライブで演奏したアレンジです。ライブに来てない人は信じられないかと思いますが、このイントロが流れた瞬間、「待ってました」の拍手と歓声が起り、サビでは(やや控えめの)LADYコールが発生したんですね。HASAMI groupのリスナーはそういうことをするイメージがなかったので、ひどく驚きました。こんなグループを好きになる人がはどう考えても元気が無い人たちという感じがしますが、現実で見ると結構みんな元気なんです。つらいことがありすぎて逆に元気になっちゃった系の人たちなんでしょうか?


18.不思議な都市計画 take.2

こちらも未発表曲として自分だけでひっそり聴いていた「不思議な都市計画」が、ガラッとアレンジを変えて収録されることとなりました。歌詞も改善の余地ありだったので、思い切ってすべて変えました。これはもはや新曲なのではないかという声もありますが、そんなことを言う人は乳母車に乗せて崖からエイッ。


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