■「独断!日本の全音楽グランプリ」とは
・私がその年に日本でリリースされたすべての音源を聴きます。その中から独断と偏見で、よかった曲ベスト100を決定します。
■大会の成り立ち
・音楽のいいところはダサい人が、いろいろな偶然が重なって、カッコいい曲を生み出すことが結構あることだと思います。安定して良曲を生み出す優秀なアーティストを超える爆発力をダサい人が生み出すことも多いです。そんな爆発が自分の知らないところでたくさん起こっているのに全部スルーしていたら……と考えていた結果、怖くなり、ダサい人の曲も嫌いな人の曲も全部聴くしかなくなってしまいました。これが「日本の全音楽グランプリ」の出発点です。
■大会の意義
・毎年「○○年のベストミュージック」みたいな感じでいろんな個人・メディアがランキングを発表しています。大きく分けると「みんなの投票や意見をもとに決めているランキング」「個人が独断と偏見で決めているランキング」の2つがほとんどかと思います。「みんなの投票や意見をもとに決めているランキング」は、ある程度知名度がないと上位には行けないため、アマチュアが誰にも知られずひっそりと発表していた曲は1位をとるのはほぼ不可能です。知名度が一切ない人がひっそりと発表していた曲が、その年のNo.1の名曲だったという可能性もあると思うので、投票で決めるのはロマンがない。しかし「個人が独断と偏見で決めているランキング」は投票制と比べると、カバーできる曲の範囲がどうしても狭くなってしまう。参加曲の母数が少ないから偏りが出てしまう。それぞれの問題点をカバーした「年間ベスト100」を作るには、私が日本の全音楽を聴いて決めるしかないのです。それが完全に個人の好みだったとしても、この世にそういうランキングが1つでも存在していることに意義があると思います。(意義があると思い込んでないとやってられないとの説も)
・逆にこのランキングの一番の課題だと思っているのは、「ベスト100に入った音楽はよくて、入らなかった曲はよくない」という印象がどうしてもついてしまうことです。実際はそんなことはなく、300位くらいの曲でも「いい曲」と思いながら日常的に聴いていたりするわけです。いい曲に1000曲出会ったとして、そこからベスト100を選出するとなると、「時代の流れと存在価値がバッチリ合致した」みたいな偶然性にも目を向けないと優劣をつけられなくなってきます。なのでリリースが1年ズレていたらランクインしてたであろう曲もありますが、それは1年単位で括っている弊害で、それを避けるには、これを死ぬまで続けて、死ぬ直前にオールタイムベストを発表するしかないのでしょうか。でも私はそんな狂人にはなりたくないです。
■今年の審査のクセ
昨年から引き続きですが「個人性」を重視しています。自分にとってはYMOがそうでしたが、小中学生のときに「創造主」だと思って崇めていたクリエイターたちが、実はオリジナルでもなんでもなく、先人の焼き回しをオリジナルに見せることに長けた人だと気付いていき、自分の中のヒーローがどんどん死んでいく。DIGとはそんな悲しさを内包している行為だったりするのでしょうか。(「すべての創作はパクリであり、完全なオリジナルなど存在しない」みたいなよくある指摘は当方、受け付けないことにしました。そう決めました)
99.副島侑樹 - マジでっかい飲み会がしたい
「マジでっかい飲み会がしたい」という主張、共感できなさすぎて逆に釘付けになりました。もうすでにデッカい飲み会中なのではないかというベロベロなFlow。途中から申し訳程度に入ってくるシンセの音。いい仕事してますねえ。
96.フーコ - プール
「M-1グランプリ」の1回戦にナイスキッズ賞狙いの小学生漫才師が増えたように、ヒップホップ界にも親の作ったトラックでラップする小学生が増えました。昨年7位だったORLAST B「WISHES」のような素晴らしい子供ヒップホップは珍しく、大抵はあまり良くないのですが、広島県尾道市に住む小学3年生・フーコのEP「1sttape」は2025年の子供ヒップホップで一番良かったです。トラックがありがちなブーンバップではなく、なかなかアブストラクトで、極限まで薄めたDeath Gripsのよう。「女子小学生版Death Grips」と言って差し支えないでしょう。
81.人生逆噴射 - 港区に原発を
Uber Eatsをしたときに、港区の奴らが態度が悪かったことを恨み、「港区に原発を建てろ」と主張する曲。なかなかギョッとするタイトルですが、労働者階級からセレブ層へのカウンターとして最高。特に「顔がたくさんついたシーマンみたいな魚を食べろ! おいしいぞ!」というフレーズを初めて聴いたときは、あまりのセクシーさに興奮しすぎて、食卓の上にあった「バードアイ」の缶を窓に投げつけて、唐辛子をぶちまけてしまいました。
80.CGTio - ファラン
今年唯一のAIによる曲がランクイン。去年、初めてAI作曲のブラック・コモンズ「サカモトになりたくて (DJ ver)」がベスト100にランクインしてきたので、今後どんどんAI曲のランクインが増えていくのかなと思ったのですが、結局増えず、今年も1曲だけでした。鉄拳3のファランのステージのBGMのRemixで、AIっぽい軽薄な質感が良い方向に働き、スカスカでノリノリなムードを醸し出しています。今のところ、AIはここらへんが限界らしいです。恥ずかしくねえのか? 早くこっちに来いよ。一緒に音楽やろうぜ、って思ってます。
69.小鳥遊 ほたる - ベールアップサマー
音はスカスカ、音質はモコモコ、シンセの音色もチープ。スカムミュージックまっしぐらな要素しかないのに、実際はそうならず。上述のすべてが絡まり合い、強烈な哀愁を生み出し、スカムミュージックとかいう次元を超越してしまっています。ボサノヴァ風味なのが夏の夕暮れの寂しさを表現している気がするのですが。開始1秒で用済みのアンドロイドみたいな弱々しい叫びのような歌声で、いきなり胸をギュッとさせてきます。悔しい。
65.anryo - 掬い愛
1日分の不協和音を一気に浴びたければこの曲を聴けというくらい、コード感が総崩れしている不協和音ポップの怪作。これが、すごいのは現代音楽にありがちな「気持ち悪い曲を作ってやろう」という意識が見当たらず、むしろ作り手自身はポップな曲を作ろうとしているのではと思わせるところです。前者は案外簡単ですが、後者は相当難しい。気持ち悪い音を作ろうと狙っても到達できない次元に(上空を指差しながら寄り目で)イッちゃってる!
62.NERO - WARNING
まだ音楽制作を始めて半年も経っていないというNERO氏が作り出した奇跡の一曲。そのキャリアだからこそ作れた気もします。異様に低音が効いて、モタついたリズムに、やや遅れたタイミングで入るテンション低めのラップ。なんでこんなに魅力的なんだろうかと考えた結果、すべての要素がCreepy Nutsの真逆だからという結論に至りました。
49.池田圭吾 - 俺らが一番ヤバいっしょ!?
ヤンキーの「俺らが一番ヤバいっしょ!?」というマインドを分かりやすい形で音楽として表現した作品。暴走族のコール音が大胆にサンプリングされており、DJ PANASONIC氏の遊び心が溢れ出ています。
45.Maris UfoTune - クローンN.B.P
2025年に聴いた曲の中でもっとも支離滅裂で、混沌としたパワーが蠢いていました。ここまで音と情報が(良い意味で)整理されていない曲は珍しいです。映画「茶の味」でアヤノおじさん(浅野忠信)が、劇中歌「山」を聴いたときに「こんなのまともに聴いてたら頭とろけちゃうよな(笑)」という旨のコメントをしていましたが、そんな感じです。世の中のカオスな曲も大抵はなんらかの意図が透けて見えますが、この曲からは意図がくみ取れません。
35.GENEMA - 21.0SEIKI
これもまったくわからない狂気的な曲です。この曲のピアノバージョンもあるのですが、そちらは非常に美しい音色でこれをどうアレンジしたら、ここまでぶっ壊れるんだろうと気持ちい苦笑いしか出ない。ハリー・スタイルズ、フライング・ロータス、BLACKPINK、坂本龍一あたりから影響を受けてるとのことですが、それだけじゃこんなことにはならないでしょう。個人性が強すぎてオリジナルになっちゃってる音楽の好例だと思います。
33.Jumi Golf - ナイスショット Feel So Good
YouTubeやTikTokで活躍している「多摩川のタイガー・ウッズ」ことゴルフインフルエンサー・Jumi氏が音楽活動を開始したんですが、これが非常に良いんですねぇ…。普段はゴルフの動画をアップしているので、当然音楽もゴルフ縛り。2025年にリリースされたEPのタイトルは「GOLF IS DOPE」。ゴルフってドープだったんですね。Tyler, The Creatorがもっとも嫌いなスポーツである“GOLF”を皮肉を込めてモチーフにしていましたが、それと真逆の地点から真っすぐにGOLF愛を表現するアーティストが現れたということです。「ナイスショット Feel So Good」のトラックは、リバイバルというよりコスプレに近い感じの、真っすぐなNew jack swing風味。この軽薄さがゴルフが持つ独特の軽薄さと共鳴している気がします。
1.チーナ - 無人島に何を持っていくか
今の世を生きる上で大事なものがたくさん詰まってる曲のような気がしました。チーナといえば、2009年に出した「Shupoon!!」という作品を買った記憶があります。栃木のCDショップではどこも取り扱ってないので、インターネットで買いました。当時の自分は高校生だったんですが、それから16年経ってもまだ素敵な曲を作っていて、いいなと思いました。
100. miu mau - motif 21
99. 副島侑樹 - マジでっかい飲み会がしたい
98. モールス水 - 関東巡り
97. ザ・バクマイズ - 空をみせる
96. フーコ - プール
95. HARSHREALM - OPERATION BRITISH
94. higimidari - Slow Down
93. demipogune - 満たない
92. Kawaii Psycho 倶楽部 - ジェリーシンドローム
91. ZiDol - リバプール・ママレードボーイ
90. Jocko - 簡単なことなのに
89. どっかん小僧 - ***
88. wotaku - Cookie
87. MASIB - 死なない芸術
86. 濁茶 - おりがみ披露
85. 宇野祐生佳 - メロン
84. BéllBy - No Control
83. airattic - NEO DRUG
82. なみぐる - 腰痛持ち、4つ打ち
81. 人生逆噴射 - 港区に原発を
80. CGTio - ファラン
79. さいとうりょうじ - 43651
78. SUKEROQUE - 滞納
77. Aliens - Global Satellite Vibration
76. Sad Happy Birthdays - 2013
75. GRAPEVINE - NINJA POP CITY
74. 水咲加奈 - 音楽家
73. 有田咲花 - 静かな寿命
72. MUCC - Round & Round
71. リベンセイ - レッドミル
70. kumonookaimono - Chancy Cruise
69. 小鳥遊 ほたる - ベールアップサマー
68. Hiromi's Sonicwonder - Yes! Ramen!!
67. KASAI - ゴモク積み唄 (Gomoku Tsumi Uta) feat Jimotoyushi
66. COASARU - trans
65. anryo - 掬い愛
64. Jugem Brudda - ブラダ・ゴータマ
63. 村上博昭 - 生地売るラッパー
62. NERO - WARNING
61. プノンペンモデル - またね feat.戸川純 & 平沢進
60. ZenZai - DOCUMENT
59. ホワイトEye's - 旋律のトランジット
58. 永見行崇&和田純子 - 虹にする人
57. wowdow - ふたり
56. シャリー - 本気ハピairplane(猫) (feat. 泡沫)
55. m-flo - You Got This
54. BREIMEN - 銀河
53. 閑静な住宅GUYS - TamDao
52. worst taste - Bastard City
51. ザ・ツリーポット - 酸性雨目薬200滴
50. デュビア80000cc - ハイ!レフティ
49. 池田圭吾 - 俺らが一番ヤバいっしょ!?
48. KAZE - 歩来
47. 剣桃太郎 - 生い立ち
46. Shuuhama - Police Special Fraud Club
45. Maris UfoTune - クローンN.B.P
44. 檸 檬 - お元気で
43. こ.Oyama - 好日
42. SUAI - Dupie Dupie
41. FOKALITE - 証拠
40. Takashico Music - Head North
39. obara - 地獄(slowed)
38. jiyujin dash - Do that!
37. 零進法 - 表示注意
36. 長瀬有花 - スケルトン
35. GENEMA - 21.0SEIKI
34. ずんだもん - 近所にイオンができました!
33. Jumi Golf - ナイスショット Feel So Good
32. OWC - 一面しか知らない(Another side ver.)
31. 文坂なの - シャカリキ飲料
30. 向田民子 - TOKYO
29. ゴリラ祭ーズ - 今なら言える
28. Nox Sheep - iikai
27. みいらみさと - カウンターチェア破壊予想
26. DaimonOrchestra - 匂いとケモノ
25. NI-HAO!!!! - Ride the LAVA
24. デカい犬がくそすき - あじさい
23. 天使 - 永遠に...(ft.聖カリスマ)
22. まちだガールズ・クワイア - Magic note
21. Purgatorio - 鳩とオリーブ
20. halca - ウィークエンドロール
19. 一寸先闇バンド - しんどいね
18. めろくる - Pain (feat. 初音ミク)
17. 集団 - 卒業
16. フライングダイミョウ - 空中太郎
15. wnfu - 電精配路
14. AFTERS - CHUCCHU CHUP
13. 神武天皇明るいスピネル - Ame-No-Ukihashi
12. Salan - ジャイロボール
11. 近視のサエ子 - 光があまえてくる
10. 森永陽実 - プロポーズは日曜日に(Album Mix)
9. Orland - just for the day
8. Lantern Parade - みんな みんな
7. 宝城隼人 - Mi Estrella (feat.Yuuki & Wang YenChen)
6. FANI - 奥歯痛い保険証ない
5. 江本祐介 - アンドゥトロワ
4. 嚩ᴴᴬᴷᵁ&EAERAN - MadDoll
3. mereo - P4inL!st
2. bringlife × PICNIC YOU × 没 a.k.a NGS - 5 Star Cowboy
1. チーナ - 無人島に何を持っていくか
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