2023年12月16日土曜日

ポップアップストア「畜生残害 × HASAMI group ~極楽鳥花編~」解説

ポップアップストア「畜生残害 × HASAMI group ~極楽鳥花編~」が11月24日と25日に実施されました。ネット雑貨屋「畜生残害」とネット音楽隊「HASAMI group」がインターネットの世界を飛び出し、2日間限定で現実世界に出現した売店です。お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

■場所に関して

「畜生残害 × HASAMI group ~極楽鳥花編~」は、東京・府中市の「府中市場」に出店しました。どこでポップアップストアを実施するのが一番イケてるのか、1年以上にわたり都内を巡って吟味を重ねました。浅草の地下街、新大久保の雑居ビルなどさまざまな候補がありましたが、音楽グループのグッズが市場で食品に混ざって売られているのが一番COOLだと考え、府中市場に決定しました。

ポップアップストアを出展する際に重要なのは、その街との調和・相性だと思います。値段、スケジュール、アクセスしやすさだけを考慮して、とりあえず押さえた空間だと周辺を無視することになります。しかし現実空間に出現するということは、その周辺との関連は避けられません。「どういうルートで来ることになるのか」「どのように周辺で食事をとれるのか」「どこについでに立ち寄れるのか」などをすべて考えた上で、一番イケている場所を選びました。

当日は畜生残害やHASAMI groupのグッズを持っている人たちが市場で新鮮な食材を買ったり、食事をとっているという、その一体で小さな小さな社会現象が起きました。これこそが我々が見たかった光景です。市場の方に「平日はガランとしてるのに今日は若い人がたくさん来ていて活気があるね」と言われたときは感慨もひとしおでした。


●店名について

「畜生残害 × HASAMI group ~極楽鳥花編~」の「極楽鳥花」とはオレンジ色の鮮やかな花で、今回は店の「イメージフラワー」です。実は店内の天井から極楽鳥花が吊り下げられていたり、壁から生えていたりしたのですが、気付いた方はどれくらいいたでしょうか。1名だけ「これを買いたい」という方がいたので売りました。お花屋さんになった気分でした。極楽鳥花の存在に気付き、しかも「これも買えるんじゃないか」と声をかけてきた人の観察眼とガッツはすごいですね。ちなみに極楽鳥花は北野武の監督映画「3-4X10月」に登場する花で、その使われ方がカッコよかったので、オマージュです。


●「青木セレクション」について

ストアには、私が全国で見つけた、イケてる珍アイテム「青木セレクション」も並びました。当初は「青木セレクション」というコーナーを作ろうと思いましたが、本当に良さを感じていないのに「青木がオススメしてるのだから」と買う人が出てしまうのではないか、それはよくないのではないかと思い、あえてコーナーを作らず店のさまざまなところに紛れ込ませました。

近年の商売の鉄則は、発言力・説得力のあるインフルエンサー的な存在にオススメさせて、自分で価値判断ができない人たちに「これを買えばいいんだ」と思い込ませることです。「HASAMI groupグッズを売っている場では青木龍一郎こそがインフルエンサー的な立場になってしまうのではないか。インフルエンサーになりたくない!」という自意識も働き、「青木セレクション」の表示は無しになりました。その代わり、「青木セレクション」のグッズをレジに持ってきた人たちには「それ、青木セレクションですよ」と教えてあげる正解発表システムを採用。見事、自分の目利きを頼りに青木セレクションをゲットした方たち、おめでとうございます。

ちなみに例外として「イケメンすぎるこけし」「おならちゃんジャージ」だけは前日にTwitterで紹介しましたが、この2つは開店から15分で売れました。



●今回の隠れた最大級の目玉商品「宇都宮タワーキーホルダー」

青木セレクションの中でもっとも買うべきだったアイテムは「宇都宮タワーキーホルダー」です。

「宇都宮タワー」は、HASAMI groupの楽曲「1999年タワー」のモチーフになっていたり、アートワークに使われたり、動画「HASAMI groupの歴史」にも登場する、まさにHASAMI groupの象徴的存在といえる建築物です。そんな宇都宮タワーのキーホルダーが2つだけひっそりと売られていたことに気付いた方はいるでしょうか? 

「HASAMI groupの歴史」にもチラッと登場する、HASAMI groupのコアなファンは持っておいたほうがいい特別なキーホルダー。これがポップアップストア「畜生残害 × HASAMI group ~極楽鳥花編~」で買えたのです。




これは私がわざわざ宇都宮に帰郷して、わざわざタワーに足を運んで、わざわざ上まで登って買ったやつです。500円で買い、500円で売りました。儲けゼロ。交通費や入場料を考えると完全に赤字。もはや買い物代行です。

「1999年タワー」の作者が自ら宇都宮タワーまで足を運んで、時間と手間を惜しまず東京まで持ってきた、非常にパワーと怨念がこもった代物です。東京にいながらにして宇都宮タワーのキーホルダーを定価で買えるのはどう考えても“バグ”です。

しかし…この「宇都宮タワーキーホルダー」は1つも売れませんでした。絶対に買うべきアイテムだったはずなのに。これに反応できなかったようでは、皆さんのアンテナ、目利き能力もまだまだかもしれません。


●撮影禁止について

「畜生残害 × HASAMI group ~極楽鳥花編~」では店内の撮影が全面的に禁止されました。そしてスタッフである我々も店内の写真を撮っていません。既に現在、店内写真が一切ないのです。これは「幻」感を表現するのが狙いで、後々、店内がどのような状態になっていたのかを調べようとしても、その情報には誰もアクセスできません。今の時代、「情報が残っていないもの」のほうがなんかカッコいいから。


●店内BGMについて

店内BGMは青木がストアのために作成したミックステープを流しました。最初はHASAMI groupを流そうかと思ったのですが、「HASAMI groupが流れているところでHASAMI groupグッズを売ること」に不思議なダサを感じたため、やめました。「市場の中にある雑貨屋で流れていたらカッコいい曲」を熟考して揃えた全28曲。あなたが来たとき、どの曲が流れていたか覚えていますか?



Doopees - DOOPEE TIME

サウンドテロリズム - やる気なし~やる気なしバージョン~

DJ Paypal - Say Goodbye

中川亜紀子&松野太紀 - FridayNight

パパイヤ・パラノイア - BOYISHになりたい

まにきゅあ団 - 夏休みの宿題

3dl - TAMEIKI

でぃえち - アーバンけけ(K.K. Cruisin)house mix

松江潤 - ヘアスタイルは口ほどにモノを言う!

隼人加織 - ワン・ナイト・サンバ

リカ - キス

ガボタ昌英 - マンマシーンインターフェイス(人間崩壊)

大正九年 - 失礼しましたプロポーズ

生活 - さわやかな死

Hi-Posi - デンワDEデート

Forbidden Planet - ビスケットホリック

PIPI BAND - 딸기

Klara Circus - ぼくらのにっこり

富永みーな - special monday

THE FIBONACCIS - SECOND COMING

ピラニア軍団 - 役者稼業

渡辺香理&東京放送児童合唱団 - アイスクリームパラダイス

岡崎裕美&杉並児童合唱団 - お花のジャズダンス

ビートたけし - 宵闇スターダスト On The Beach

DJ TASAKA - Speaker Typhoon

穴井夕子 - I want you

原みどり - ぱじゃまのままでSTEP!

Doopees - Some Day,That Place in time


「この曲はなんですか?」と聞かれたら答える気まんまんだったのですが、聞いてきた人は1人だけでした。3dl「TAMEIKI」が流れているときでした。



2023年12月5日火曜日

「独断!日本の全音楽グランプリ2023」11月の結果

 【独断!日本の全音楽グランプリ2023】

<概要> ・私が2023年に日本で“リリース”されたすべての音源を聴きます。その中から優勝者を決めます。日本の音楽強制参加型J-POP賞レースです。 ・お笑い賞レースの形式を模倣して「1回戦(日本の音楽すべて)」「2回戦(500~1200曲)」「3回戦(360曲)「準々決勝(100曲)」「準決勝(30曲)」「決勝(10曲)」と曲を絞っていき、最後に10曲の中からグランプリを決定します。要は「日本の全芸人が強制参加させられ、予選から決勝までの審査をすべて青木1人で担うM-1グランプリ」の音楽版みたいなことだと思ってください。 1カ月ごとに「2回戦進出曲(50~100曲)」「3回戦進出曲(30曲)」を発表していきます。3回戦進出曲×12カ月分=360曲の中から年末に年間ベスト100を決定します。年末までに僕の価値観、日本の音楽シーンが大きく変わる可能性もあり、それによってランキングも変動します。1月の1位だった曲が年末のベスト100に入らず、1月の30位だった曲が年末ベスト100の上位に食い込む可能性もあります。そのため月間ベスト30はあくまでも暫定的な順位です。

2019年の結果

2020年の結果

2021年の結果

2022年の結果



<2023年11月の2回戦進出者>

※2023年11月にリリースされた日本の全音楽を聴いた結果、下記のアーティストが2回戦に進出しました。(太字が3回戦進出)


8motion / anew / arvin homa aya feat.THE IMAGE / CHiCO / ClariS / Coraline / EOW / futures / Hibikilla / igloo / kagalibi / Losstime Life / LUA / MEL / Michel / Parvāne / ratiff / Skoop On Somebody / SnapSound feat. MonA / STAP Sigh Boys / TEITENCA / the band apart (naked) / the bercedes menz / tomato star / カーネーション / カブトムシ / ハナ マキア / みいらみさと / ミシェルメルモ&Melmophonic Orchestra / ミヤケ武器 / 阿佐ヶ谷ロマンティクス / 岡村匡紘 / 笠原弘子 / 愚者の自由 / / 鹿あるく / 水平線 / 相良茉優 / 大橋トリオ / 田我流 / 柏木英樹 / 尾﨑康平 / 無果汁団 / 予感 / 脇田万貴子



30. Losstime Life - Café Au Lait

29. 岡村匡紘 - Fallen Leaves

28. 脇田万貴子 - La Vita

27. 田我流 - TARAREBA

26. EOW - オアシス

25. anew - メリーさんの数字

24. arvin homa aya feat.THE IMAGE - Heartbreak

23. igloo - Tully, Corfu, Greece

22. ratiff - Let Me Know

21. Hibikilla - Wha Gwaan Midnight feat. Tach-B (Zukie's Album Remix)

20. STAP Sigh Boys - Dancing When You're Dead

19. 愚者の自由 - ありえない

18. MEL - I DECIDE YOU DECIDE

17. ミシェルメルモ&Melmophonic Orchestra - ウィカリカライン

16. Parvāne - ナント勅令再破棄 (La Ré-Révocation de l'édit de Nantes)

15. tomato star - HOUSE ON MARS

14. 柏木英樹 - 淋歌

13. 笠原弘子 - 成せる業〜ナセワザ〜

12. ClariS - ふぉりら

11. カーネーション - 光放つもの

10. the band apart (naked) - 図書室の幽霊

9. TEITENCA - BBBBBBBBABY

8. anew - Genreless

7. 鹿あるく - madoromi (feat. 高峰伊織)

6. ミヤケ武器 - 幽体離脱ダイバー

5. みいらみさと - 土曜の夜は1人で

4. the bercedes menz - 匣

3. 無果汁団 - 心ここにあらずとも

2. 尾﨑康平 - Mail

1. カブトムシ - Time Break


■2023年の月間チャンピオン 1月:JUDO

2月:BLACK BERRY TIMES

3月:ノートリアスミノリン

4月:フロクロ

5月:フー・ドゥ・ユー・ラブ

6月:Little Pilgrim

7月:殺沼蜘蛛助

8月:saccharin

9月:絵瀬庭歌

10月:DaimonOrchestra

11月:カブトムシ