2022年12月31日土曜日

2022年の振り返り

今年は「HASAMI group『パルコの消滅』」「HASAMI groupクソカバーNo.1決定戦」「Spilling」という3つを世の中に発表できたので、よかったです。どれも気に入っています。


●HASAMI group「パルコの消滅」

なんといっても今年一番の大仕事はHASAMI groupの21st album「パルコの消滅」をリリースしたことでした。2020年10月に20th album「DOITORA」をリリースしてからしばらくは燃え尽き症候群という感じで、「Functional Baby」「緑山の餌食」「IA」といった曲をポツポツと作るのみでしたが、2022年6月にやっと本腰を入れてアルバムを作り始めました。完成は2023年か2024年になってもおかしくないかなと思っていたのですが、途中からスルスルと曲ができていき、最終的に2022年10月には完成しました。「パルコの消滅」は2年ぶりのアルバムだったので2年間かけて作られたものだと思われそうですが、実は5カ月でできた作品なのです。どうでもいいですが。


「MOOD」「DOITORA」「パルコの消滅」は「自分の内面と歴史を反映する」シリーズの3部作というのがざっくりとしたテーマでした。「パルコの消滅」は個人的には「MOOD」「DOITORA」に比べて満足度が高く、前2作に比べると派手さはないものの、完成度や深みは一番です。作品自体に「遺産」の意味合いが強くなっているため、真価を発揮するのは10年以上後だと思います。2035年以降に「パルコの消滅」を聴くとビックリすると思います。「こんなヤバい作品だったのか!」「この価値観を2022年の時点で提示していたのか!」という感じに。私は音楽家ではなく、ただの予言者。


●HASAMI groupクソカバーNo.1決定戦

数年前からHASAMI groupのカバーがYouTubeなどで散見されるようになったのですが、本来の良さが潰されたカバーが多いように感じていました。これはカバーした人たちが悪いのではなく、HASAMI groupの楽曲に含まれている歪な構造が原因です。HASAMI groupの曲には、(面白いから)チープであることを許したり、響きが狂っているのを見て見ぬフリしたりしている部分があるのですが、多くのカバーではそこが改善されて、「ただのいい感じのカバー曲」になっています。暗黒舞踏から綺麗な要素だけを抽出して2.5次元舞台に仕上げた感じでしょうか。


以上のことを踏まえて、増えていくカバーに対して、なんらかのアクションをする必要があるなと考えていました。ストレートに「カバー禁止令」を出すのは誰もやってないし面白いかなと思ったのですが、考えれば考えるほど、「やっぱり面白くない」という結論に至って辞めました。それよりも作品として伝えたほうがいいと思ったのですが、あまりアート然としたものにしたくなかったので、最終的に「HASAMI groupクソカバーNo.1決定戦」という形に落ち着きました。


HASAMI groupが大切にしている価値観の1つに「噛んでも撮り直ししない」というものがあります。メジャーな楽曲は、何回か歌を録音して、各テイクの良かった部分をつぎはぎしたりピッチを変えたりしながら完成させていくのが主流ですが、これはもはや人間が出した音ではないし、ドキュメンタリー性がなく、どうも魅力を感じません。もっと極端なことをいえば、「ありがとう」を「ありぎちょう」と言ったとしても、私はこれをミスったとすら思いません。そのとき、私の体は「ありぎちょう」と言いたかったのです。その音を出すほうが気持ち良かったのです。そういった意味で歌にもミスは存在しないと思っており、1テイク目に発音した言葉、音程が、そのとき私の言葉が発したかった「声」であり、それをそのまま音楽に刻むのが、「綺麗に調整・修正・カットされた声」が良いという考えが主流の商業音楽へのアンチの姿勢になっているのです。


ほかにも「音質を追求しない」「グルーヴ感を生まない」「歌が下手」「音が割れている」などHASAMI groupの曲は基本的に「質の悪い」とされていることがたくさんあります。勘違いされやすいのですが「敢えて逆にする」とは微妙に違います。「一般的に良いとされているものの敢えて逆をいっているのに良い」というところまで到達させるのが重要です。


以上のことからHASAMI groupの楽曲は「質の悪いところ」を直すと曲の魅力が一気に減ってしまう不思議な構造になっています。改善すべきところがたくさんあるはずなのに、そこを直すと、なぜか魅力が下がってしまう。そういう罠が張り巡らされている音楽なのです。極論を言えば、HASAMI groupのカバーをすること自体、趣味が悪いのです。


「HASAMI groupクソカバー選手権」は、「良くしようとして原曲の魅力を消してしまう」という構造を逆説的に伝えるために、「もっとクソにしてごらん」とHASAMI groupに適したカバーの道しるべを与える企画でした。実際、クソカバーを狙った曲には「カラオケでバンプオブチキンを流す」「手動でループさせる」など、クソを狙っていないカバーでは到底到達できないオリジナリティあふれる魅力が次々と生み出されていったのです。西日本ガイ吉くん、湯上くん、田中くんの採点や講評もすばらしかった。僕も笑顔、みんなも笑顔。最高の企画となったのでした。


●Spilling

初めて40分以上の映像作品を作りました。作品の性質上、ガンガン告知するのを控えていたのですが、予想以上の反響があって驚きました。下記の記事では、私が言えないことが代弁していただいており、うれしく、ありがたい限りです。

https://note.com/premiumyebisu/n/nd3783fd5cc35



●HASAMI group「metamorphosis3」

実はHASAMI groupは「パルコの消滅」だけではなく、「metamorphosis3」も発表していたんですね。どのように作っていたのか、あまり記憶がありません。


●HASAMI groupインスト集「歌なんていらない」

実はインスト集も発表してたんですね。振り返ってみると、思ったよりも活発でしたね。



●参加した雑誌

・「芸人雑誌」vol.6、vol7、vol8でオススメの芸人や動画を紹介させていただきました。このシリーズ、テレビに1回も出たことない芸人さんがを中心なのですが、YELLOWwwwさんが「おもしろ荘」に出たり、さとなかほがらかさんが「THE W」の決勝にいったり、皆さん活躍されていてうれしいです。


・「Maybe!」vol.13では、漫画「チ。」の作者・魚豊さんと愛について語り合うという信じられない企画に参加させていただきました。もはや途中はから雑誌のことを無視した内容で、3~4時間くらい話したと思います。とても有意義なありがたい時間でした。



■2022年、印象に残った面白いこと

・「夫の殺し方」という本の著者が本当に夫を殺した(海外ニュース)


・「ネギトロ一本勝負」という名前の店が、全然ネギトロ一本で勝負していなかった。


・喜多方ラーメンの河京がやっていた「社長が最近お気に入りのお菓子をプレゼント」というキャンペーン。「富の日」が13日ではなく、17日という気持ち悪さ。
















・「僕らの為のペットバスタブ」という商品の広告画像で「僕たち、お風呂大好き」と言わされていた動物たち。


















・福岡県にて、電車内でドアを蹴りハサミを舐め紙に火をつけた男が出現した事件。


・彦摩呂がNFTを導入。




■来年について

・HASAMI groupの説明会に向けての作業を進める。

・「Spilling」の手法をさらに発展させた新たな映像作品を作りたいと思っています。

・人に優しくしない(10年連続)。



1 件のコメント:

  1. 福岡県で電車のドアを蹴りハサミを舐め紙に火をつけて逮捕された男、私の個人的な友人のひとりでした。

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