2021年12月31日金曜日

JAPANESE REAL MUSIC大賞 2021

2021年に発表された日本の音楽の中でも特に、異彩を放っていた楽曲を表彰します。



10位:男前キムチ - 男前キムチ

【謎の商品PRソング】

大阪の鶴橋商店街に「三原商店」という店があり、そこで「男前キムチ」という商品を売っているらしく、恐らくそのPRソングだと思われるのが男前キムチの「男前キムチ」です。「男前キムチ」という商品をPRするのが、「男前キムチ」というアーティストの「男前キムチ」という楽曲なの、さすがに男前キムチすぎませんか? 純度100%とはこのことをいうのでしょう。どこで流れているのかは不明です。

↓こちらは「男前キムチ」の通販サイト。気になった方は購入してみては。

https://tsuruhashi-kimuchi.com/



9位:SatoruBagg - Final Temptation

【異次元とはこのこと。常人には理解不能なフロウとビート】

異次元とはこのこと。常人には理解不能なフロウとビート。今年はSpider Gang界隈から影響を受けた日本のヒップホップアーティストがイルな感じを出そうと必死に狂人ぶってるのをよく見かけましたが、本当にイルなのはこの方だというのは紛れもない事実。



8位:しゅーや - なめたけ食べたい

【奇跡】

子供がアカペラのオリジナルソングを歌う、ということは日本全国の無数の家庭で起こっていることかと思います。しかし、それがパッケージ化されて、我々の耳に届くということは奇跡です。家の中で完結し、親しか知り得なかった類の楽曲が世界に放たれていることがロマンチックすぎて、クラッとしてしまいそうです。



7位:榊原佑吏 - 恋愛ディスコード

【全身が震え上がるゾクゾク感】

初めて聴いたときに「このゾクゾク感が欲しかったんだ」と興奮しました。44秒頃の、ギターを止めて「どうして君が泣いてるの?」というところで、思わず「ギャーッ!」と声を出してしまいました。今後もっとすごい曲を生み出してくる予感がしており、目が離せません。



6位:Dragon Small Dog - Man is Dragon

【第一声で面白い、MVも面白い】

歌いだしの「まんっ~」が100点。英語の歌詞なのですが、文法は無視。日本人が海外旅行でやる、単語を並べて意思疎通をはかるみたいな、そういう文章です。曲の歌詞でこの感じなのは初めて聴きました。MVもとても面白いので、ぜひ見てください。



5位:ヨコタ村上 孝之 - 抱っこ

【50代の学者が幼児になりきって歌うスカム音楽】

HASAMI groupのニュースサイトを作るとき、とにかく一番気持ち悪い名前にしようと思い、キモさを追及した結果に辿り着いたのが「だっこ」でした。そしたら大阪大学の言語文化研究者のヨコタ村上孝之さんも同名の曲を作っていて驚きました。そして私が目指していた気持ち悪さを曲中でも完璧に表現していました。1分27秒からの「だぁ~かぁ~らぁ~」と言い方、1分56秒からの「だっこ、めっちゃ気持ちいの」のくだりはかなりすごいです。全体を通してとにかく気味が悪い。なぜ学者がこのようなスカム音楽を生み出したのか、背景はわかりません。



4位:nine - gun gun gun.

【拳銃に憧れる中学生のあの感じを見事に楽曲化】

サウス系のヒップホップよりも銃声が多く入っている曲が日本にあるのかと私は唖然としました。それがnineの「gun gun gun.」。開始1秒で3発の銃声が鳴り響き、そのあとに「デュン♪」という謎のシンセ音。さらにそのあとも銃声が鳴りまくり、曲が幕を開けます。その後は「gunを引き出し引き金鳴らし発砲していきなりキチガイ」から始まる怒涛のラップ。危険すぎる。その言葉は浅井健一ではなく、nineのためにあったのかもしれません。



3位:ロシュ・ゴールド - セックスヴィーナス

【リリックがすごすぎる】

リリックがすごすぎる。「何があったんだ」と心配になります。最初は「YEAH YEAH! SUCK MY DICK! SUCK MY DICK!」とスラング全開でものすごくセクシャルで過激なリリックなのですが、途中からただの愚痴になっていきます。この面白さは聴かないとわからないので、とにかく体験してください。ある女性への怨念がどんどんヒートアップしてきて、どんどん文章が長く説明口調になり、どんどん早口になってくる。



2位:桜華春樹 - 桜舞えパーリナイ

【盛りあげたいという気持ちが痛いほど伝わってくる】

2021年は桜華春樹と出会えたというだけでいい年だったなと思えます。そのくらい素晴らしいアーティストです。彼の名曲「桜舞えパーリナイ」の素晴らしいところは、「とにかく盛りあげたい」という作り手の気持ちが異様なほどに伝わってくることだと思います。「ゆったりしたイントロから一気に盛り上げる感じのことがしたい」「Aメロはラップで盛りあげたい」「2番で『さくら』のサンプリングをすることで、聴き手に『うわー! ここにきて敢えて日本の古典音楽を取り入れてきた!渋くてカッコよすぎる!』と思わせたい」など、やりたいことを詰め込んだんだろうなということがわかります。



1位:solohighlife - everyday

【伝説の一小節余し】

今年は、どう考えてもやっぱりこれでしょう。歌詞の冒頭を削ることで、最後の1小節を余らせるという伝説級のテクニックで度肝を抜いたsolohighlife「everyday」が2021年の1位です。JAPANESE REAL MUSICってこういうことだから。この曲のすごいところは下記記事で詳しく解説しているので、ぜひそちらも読んでください。


「ノリアキはわざとらしすぎる」という方に




今回紹介したような楽曲をひたすら収集している「JAPANESE REAL MUSIC」という

Tumberをやっていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。





2021年12月25日土曜日

HASAMI group presents「病気が治ったら 究極のクソカバーNo.1決定戦」1次予選 審査結果のお知らせ

厳正なる審査の結果、以下の10組を最終審査進出といたします。

001.尾崎

002.ジャ

005.よ

006.とつこま

007.308pond

008.自給自足

009.虚無G

011.前津修斗

014.トマト☆もみお

015.キャサリン

(※エントリー順)


最終審査ではHASAMI groupメンバーの青木龍一郎と湯上優紀、サブメンバーの西日本ガイ吉、サポートメンバーの田中耕太郎の計4人が100点満点で“クソ度”を採点。合計得点がもっとも高かった作品が栄えある「病気が治ったら 究極のクソカバーNo.1」となります。最終審査の結果発表・解説はYouTubeにて配信予定です。


2021年12月3日金曜日

「日本の全音楽グランプリ2021」11月の結果

 <概要>

・私が2021年に日本でリリースされたすべての音源を聴きます。その中から優勝者を決めます。“日本の全音楽”強制参加型J-POP賞レースです。

・お笑い賞レースの形式を模倣して「1回戦(日本の音楽すべて)」「2回戦(500~1200曲)」「3回戦(360曲)「準々決勝(100曲)」「準決勝(30曲)」「決勝(10曲)」と曲を絞っていき、最後に10曲の中からグランプリを決定します。要は「日本の全芸人が強制参加させられ、予選から決勝までの審査をすべて青木1人で担うM-1グランプリ」の音楽版みたいなことだと思ってください。


今年は1カ月ごとに「2回戦進出曲(50~100曲)」「3回戦進出曲(30曲)」を発表していく形式となりました。3回戦進出曲×12カ月分=360曲の中から年末に年間ベスト100を決定します。年末までに僕の価値観、日本の音楽シーンが大きく変わる可能性もあり、それによってランキングも変動します。1月の1位だった曲が年末のベスト100に入らず、1月の30位だった曲が年末ベスト100の上位に食い込む可能性もあります。そのため月間ベスト30はあくまでも暫定的な順位です。


2019年の結果

2020年の結果


<大会の意義>
毎年「○○年のベストミュージック」みたいな感じでいろんな個人・メディアがランキングを発表しています。大きく分けると「みんなの投票や意見をもとに決めているランキング」「個人が独断と偏見で決めているランキング」の2つがほとんどかと思います。

「みんなの投票や意見をもとに決めているランキング」は、ある程度知名度がないと上位には行けないため、アマチュアが誰にも知られずひっそりと発表していた曲は1位をとるのはほぼ不可能です。僕は知名度が一切ない人がひっそりと発表していた曲が、その年のNo.1の名曲だったという可能性もあると思うので、投票で決めるのはロマンがないですよね…。どれだけお金をかけて宣伝したか、本人がどれだけ熱心に外に向けてアピールしたか、とかそういった非音楽的ものがどうしても影響してしまうと思うので。でも「個人が独断と偏見で決めているランキング」は投票制と比べると、カバーできる曲の範囲がどうしても狭くなってしまう。参加曲の母数が少ないから偏りが出てしまう。

それぞれの問題点をカバーした完璧な「年間ベスト100」を作る方法は1つ。僕が日本の全音楽を聴いて決めるしかないのです。ということで日本の全音楽を聴きました。情報が一切出てこないアマチュアの方々の発表した音楽も気が狂うくらい聴きました。


<2021年11月の2回戦進出者>

※2021年11月にリリースされた日本の全音楽を聴いた結果、下記のアーティストが2回戦に進出しました。


Airi / BREIMEN / CASANOVA FISH / corazon / Cutemen / DOLCENOTE / EMERALD FOUR / HALLCA / I’mew(あいみゅう) / IDOLATER / igrstsk / Jinmenusagi / jubilee jubilee / Kitri / Kizuna AI  & DE DE MOUSE / Laur / LIMKOS / Linus / Lucky2 / MAPA / Naive Super  & Pictured Resort / NUSHTHEGOODBOY / Omoinotake / OYKT / Rons week / Shinichiro Yokota / SOMAJI / sommeil sommeil / SOROR feat. 池田智子 / SUPER GENTLE / TANATS / The Folie Phantom / three berry icecream / ukka / VOYZ BOY / Wang Dang Doodle / WT☆Egret / ZOOZ / アペタイザー主婦 / アマネトリル  / おとめ / カジヒデキ / かめりあ / キュビノワ / ピコピコ☆レボリューション / フィロソフィーのダンス / ボタニカルな暮らし。 / モエカ / モーリン公美子 / モフモフモー / ゆいにしお / よしのまりこ / 稲葉曇 / 原めぐみ / 倖田來未 / 黒韻 / 私立恵比寿中学 / 小田桐仁義 / 森川美穂 / 神威龍牙 / 茶封筒 / 土岐麻子 / 無果汁団 / 和田彩花 / 曖昧喫茶 / 笙


2021年11月の3回戦進出と暫定順位>


30.TANATS - 月影にダンス

29.Naive Super  & Pictured Resort - In The High-Rises

28.DOLCENOTE - かわいいおようふく

27.曖昧喫茶 - リトマス紙が示す君との関係値

26.モフモフモー - 中華街の食べ放題

25.茶封筒 - スパイ!

24.Lucky2 - キミすき

23.Cutemen - Love On The Beach

22.よしのまりこ - オレンジジュース

21.NUSHTHEGOODBOY - FUTARI (Two of Us)

20.黒韻 - TIME FLOW (feat. Moss.key, Dirty R.A.Y & Jammy)

19.ZOOZ - Vampire!

18.SOMAJI - Be Humble (feat. J.D.B)

17.jubilee jubilee - メリーゴーランド

16.WT☆Egret - Life is Beautiful

15.HALLCA - Precious Flight

14.Laur - SYSTEM ERROR

13.igrstsk - ミッシングリンク 

12.BREIMEN - CATWALK

11.9DayzGlitchClubTokyo - fray“Heavy Malfunction side”

10.The Folie Phantom - Phantom Magic

9.OYKT - シーカーミサイル

8.SUPER GENTLE - Joker

7.無果汁団 - 電話でクリスマス

6.Kizuna AI  & DE DE MOUSE - Here for you

5.キュビノワ - Space Debris

4.ag feat. 倉先 - everyday

3.Airi - 平成ギャルのひとりごと Spilling こぼれるほどに

2.私立恵比寿中学 - Anytime, Anywhere

1.モーリン公美子 - 負けないで My Energy (Remix)



■2021年の月間チャンピオン 1月:ちんからほい 2月:SAKUra 3月:koguma

4月:宇都美慶子

5月:MCマギー

6月:伊藤千晃

7月:Salan

8月:佐藤優介

9月:Francis

10月:KAICHOO

11月:モーリン公美子


年間王者に輝くのは果たして!?