061. aa. - 声の色
062. ICE BAHN - MAKE or BREAK
063. kaelanuhito - わたしはロボットではありません
064. 矍鑠 - FM快運河
065. WORK - The Piano
066. The Highneken - 京桥
067. ichiyon - Snow Without You feat. Emi Araishi
068. Not Silence - サテライトの浜辺にて
069. TiDE - 色めき
070. 冨田開登 - たかが音楽
071. OWC - もうなんにもいらない
072. SAKUra - What 師 Said
073. MAPA - Stay Away Labyrinth
074. 有安杏果 - Do you know
075. 友田オレ - 身を粉/MIWOKO(feat.ku-ten)
076. 新内枝幸太夫 - ダンスィング・ゴリラ
077. Hey - マーライオン
078. きだはしや - kid
079. きだはしや - 化けの皮 (feat. GOMESS)
080. はるまき - キミノ成長地帯 feat. ナースロボ_タイプT
081. cosmosy - Chance
082. Uilou - To Me
083. ROBITAS - Midnight Cruising
084. GIGAHIKO - 夜間飛行
085. クーネル - 遮電心報
086. 終末のアンセム - 超新星☆益々!!
087. hallycore - THE IDOLM@STERS SHINY COLORS in Nyege Nyege Festival
088. 授郷市犬獄なつこを風化させない会 - 愛犬
089. ちふみぃ - 想像のきゅん
090. DARTHREIDER - 病院を攻撃するな!
【各曲の感想】
61. aa. - 声の色
1980年前後のブティックホテルに瞬間移動したような気分になる曲を量産し、「独断!日本の全音楽グランプリ2024」では「その理由」がベスト100に入ったaa.氏。新曲も圧倒的な心地よさのモコモコ感を堪能できる良メロ歌謡曲。
62. ICE BAHN - MAKE or BREAK
ベテランHIP HOPクルー・ICE BAHNのフレッシュな新曲。「韻守運転」のような勢いのあるビートに、畳みかけるような韻が素晴らしいです。
63. kaelanuhito - わたしはロボットではありません
ずんだもんに「わたしはロボットではありません」と言わせ、それをギタギタに切り刻む実験音楽。ボカロの無機質さを極限まで際立たせているのに、エモい曲を歌い上げさせたときを超える哀愁がにじみ出てしまう皮肉。
64. 矍鑠 - FM快運河
矍鑠「EXPO新潟」が良いvaporwave作品でした。2013年のThis Program is Brought to You, Bye.「群馬ハイヌーン」が好きなのですが、それに近い雰囲気がなんとなくあります。「EXPO新潟」というタイトルやアートワークから、昔の観光文化をvaporwaveの文脈に落とし込んだ作品ということがわかると思います。vaporwaveは消費文化の軽薄さを面白がる音楽だとすれば、これはその中でも観光文化の軽薄さを面白がっています。1986年頃に鈴木都政が世界都市東京というスローガンを好んでいたとき、「地域性」も地域の人が主体的に発信するものではなく、国が規定して進めていくものになってしまうというジレンマが発生ましたが、そのあたりの地方観光産業の空気感や気持ち悪さをゴースト化して現代によみがえらせている感じがします。「FM快運河」は交通情報を使っているのでSignalwave寄りですが、「EXPO新潟」に収録されることで、それ以上の奥行きが生まれています。ポスト産業社会では文化と経済がくっついてしまいます。地域の文化のぬくもり、人間味を育てるという感じのいい政府のレトリックは今、vaporwaveの題材としては最先端じゃないかと。そろそろ誰かに生活文化局をテーマにした作品を作ってほしいです。
65. WORK - The Piano
WORKの「Djennifer」はサンプリングビートにおける反復の気持ちよさが存分に味わえる傑作アルバムで、どの曲も陶酔感が高めで良かったですが、その中でも「The Piano」のソウルフルな感じが好きでした。
66. The Highneken - 京桥
軽快なギターと風通しの良いサウンドなのに、少し黒いグルーヴもあって良かったです。
67. ichiyon - Snow Without You feat. Emi Araishi
この歌声、最初はAIかと思ったのですが、人間でした。明るいけど少し哀愁があるメロディが良かったです。
68. Not Silence - サテライトの浜辺にて
フレンチディスコの要素に日本人特有のグルーヴを組み合わせた感じで、ありそうでないムードを放っています。良い意味で脆い感じのボーカルがクセになります。
69. TiDE - 色めき
爽やかな邦楽ロック一直線という感じで気持ちよかったです。
70. 冨田開登 - たかが音楽
複雑だけどポップな音作りを得意とする冨田開登氏の新たな傑作。要所要所に少し間抜けな音が入っていて、それが良い感じにネジが外れている雰囲気を醸し出していて一筋縄ではいかない感じがします。
71. OWC - もうなんにもいらない
コード、歌メロ、軽やかなサウンドがすべて噛みあっていて良いです。OWC氏は、いわゆる“諦念”のような感情をプラスに変換して表現するのが非常にうまいアーティストだと感じているのですが、その極地のような歌詞もドキドキするし、心配になりますが、不思議と元気をもらえます。
72. SAKUra - What 師 Said
2021年に奇跡の大名曲「漕ぎ出せ♪ショコラティエ〜これって恋ですか?〜」を生み出したSAKUraさんが今年も新曲を出してくれました。今回も「東北新幹線」でおなじみの天才職人・山川恵津子さんプロデュース。とにかくアレンジが巧みで極限まで何から何までノンストレスで、心地よさが半端ないです。
73. MAPA - Stay Away Labyrinth
「なんでもできそうな瞬間が好きなだけ」というフレーズとメロディが良いです。
74. 有安杏果 - Do you know
2019年頃にライブでお披露目されていたものの音源化されていなかった名曲「Do you know」がついにリリースとのことでおめでとうございます。YouTubeにアップされているライブ映像が素敵でしたが、そのときよりも若干ゴージャスになっています。メロウめなポップとして王道の良い曲です。
75. 友田オレ - 身を粉/MIWOKO(feat.ku-ten)
「君ほどの人はいない」で相性抜群だった友田オレさんとku-tenさんがまたやってくれました。聞き心地がよくて、心が軽やかになる、今の世を生きるのに欠かせない一曲。
76. 新内枝幸太夫 - ダンスィング・ゴリラ
伝統的な新内浄瑠璃の家元・新内枝幸太夫が45周年という節目に新境地としてレゲエに挑戦した珍曲。「マツケンサンバII」でおなじみの宮川彬良が手がけた妙にダンディなトラックと伝統の歌声がギリギリ化学反応を起こしておらず、「何かが弾けそうな気配」を醸し出したまま、ずっと平行して走っていく。これが絶妙なところをくすぐっていて、唯一無二のムードを醸し出した楽曲になっています。ちなみに「マツケンサンバII」がサンバではないように、これも本人はレゲエと言っていますが、レゲエではないと思います。とにもかくにも「新内枝幸太夫がレゲエに挑戦する」というすごい事件が発生しているのに、誰も騒いでないのはなんなのでしょうか。
77. Hey - マーライオン
Heyのアルバム「Murder at the Pool」が全体を通して非常に良かったのですが、その中でも好きなのが「マーライオン」でした。10年以上前からある曲のようなのですが、どんどん研ぎ澄まされて今に至る……という感じでしょうか。ノーウェイヴっぽさを感じつつ、オリジナルなユーモアがあります。
78. きだはしや - kid
何が良いのかうまく説明できないのですが、最高なムードが終始漂っている気がします。
79. きだはしや - 化けの皮 (feat. GOMESS)
トラックが骨太で好きなのですが、GOMESSさんの掠れた声のキレのあるラップ、きだはしやさんの無理やり詰め込んでいるようなラップがそれぞれ独自のグルーヴがあって、コントラストが良いです。
80. はるまき - キミノ成長地帯 feat. ナースロボ_タイプT
四つ打ちの曲を作るとき、バスドラムは鳴るべくズシンとさせたい派というか、それが醍醐味でしょとか思っているのですが、この曲を聴いたときは「そこまでズシンとしていない四つ打ちもたまにはいいのではないか」と思わされました。やや軽めのバスドラが木魚のようで、それに合わせて1文字ずつ歌われるボーカルもお経みたいで、途中に鳴る金も相まって、般若心経の最新版のようでした。
81. cosmosy - Chance
cosmosyは日本人4人組なのですが、K-POPシーンで活動しているので、「日本の全音楽グランプリ」に含めて良いのか微妙だったのですが、個人で勝手にやってるランキングで厳格な線引きを設けようとしている自分がキモく思えたため、深く考えず含めることにしました。K-POPのサウンドとしては王道なのですが、隙がない感じですね。
82. Uilou - To Me
Future Funkみたいな曲です。Future Funkは好きではないのですが、なぜかこの曲は好きでした。
83. ROBITAS - Midnight Cruising
夜のドライブに合いそうで良かったです。「夜のドライブに合いそうで良かったです」なんて感想、僕だって言いたくないのですが、本当に夜のドライブに合いそうなのでそういう言うしかないんです。夜のドライブに合いそうな曲は最高です。が、「夜のドライブに合いそう」という感想が世の中にありふれすぎていて、何も言ってないと一緒くらい価値の薄い言葉になっています。これ、どうすればいいのか。
84. GIGAHIKO - 夜間飛行
ギガファイル便の公式キャラクター・転送寺ギガヒコがリリースした新作EP「GigaFile 1st.zip」の収録曲。ギガファイル便に公式キャラクターがいることも、曲をリリースしていることもあまり知られていないのですが、「GigaFile 1st.zip」は良い作品でした。デビュー曲「アイノギガ」の出来が最悪で、点数にすると0点みたいな曲だったので、その時点で一切興味がなくなっていたのですが、なぜか急にクオリティが上がりました。調べたところ、「夜間飛行」はPlus-Tech Squeeze Boxのハヤシベトモノリ氏が手がけており、そりゃ良くなるよねと合点がいきました。 ちなみに未だにギガファイル便をビジネスシーンで使う人がいますが、他会社の人に送るには失礼すぎる広告量だと思います。
85. クーネル - 遮電心報
クーネルの1stアルバム「SENSORY DIARY」が非常に良かったです。皆さんにぜひ聴いてもらいたいです。その中でも「遮電心報」が好きでした。2000年代後半の良質なポップという感じで少し懐かしい手触りで。
86. 終末のアンセム - 超新星☆益々!!
2010年前後のアニソンっぽくて良かったです。ぶりっ子アイドルが増えて辟易しそうですが、こちらは燃えるような情熱先行型。ライブ映像が、熱量で突っ走ってる感じで素晴らしく、宝物のよう。
87. hallycore - THE IDOLM@STERS SHINY COLORS in Nyege Nyege Festival
ウガンダのアンダーグラウンドシーンの顔的なレーベル「Nyege Nyege Music」とアイドルマスターをドッキング。天才としか言えない驚異の発明。このジャケットを見たとき、嬉しかった。
88. 授郷市犬獄なつこを風化させない会 - 愛犬
「授郷市犬獄なつこを風化させない会」→アーティスト名100点、「恐怖の勝利」→アルバム名100点、「愛犬」→曲名100点…ということでワード周りが300点の曲です。サウンドは、童謡「さくらさくら」みたいなチープなシンセの音に、合成音声でエログロな文章を読ませ続ける。完全に終わってしまっているのですが、終わらせるのも難しいんです。
89. ちふみぃ - 想像のきゅん
弱弱しくて、夢みたい。
90. DARTHREIDER - 病院を攻撃するな!
HIP HOPは比喩表現の芸術だと思います。それなのに「病院を攻撃してはいけない」というあまりにも当たり前の倫理を比喩ゼロでリリックにしなければいけない状況に、なんだか泣きそうになってくるのです。Nasが「Hip Hop Is Dead」リリースしたのは奇しくも20年前の2006年ですが、ラッパーがHIP HOPを殺していた時代はまだ牧歌的だったとすら思います。戦争が比喩表現を、HIP HOPを、カルチャーを殺しているということを「病院を攻撃するな!」という叫びが間接的に表現しているような気がしました。本当に必要な作品。