2026年4月2日木曜日

「独断!日本の全音楽グランプリ2026」3月の良かった30曲

 


061. aa. - 声の色

062. ICE BAHN - MAKE or BREAK

063. kaelanuhito - わたしはロボットではありません

064. 矍鑠 - FM快運河

065. WORK - The Piano

066. The Highneken - 京桥

067. ichiyon - Snow Without You feat. Emi Araishi

068. Not Silence - サテライトの浜辺にて

069. TiDE - 色めき

070. 冨田開登 - たかが音楽

071. OWC - もうなんにもいらない

072. SAKUra - What 師 Said

073. MAPA - Stay Away Labyrinth

074. 有安杏果 - Do you know

075. 友田オレ - 身を粉/MIWOKO(feat.ku-ten)

076. 新内枝幸太夫 - ダンスィング・ゴリラ

077. Hey - マーライオン

078. きだはしや - kid

079. きだはしや - 化けの皮 (feat. GOMESS)

080. はるまき - キミノ成長地帯 feat. ナースロボ_タイプT

081. cosmosy - Chance

082. Uilou - To Me

083. ROBITAS - Midnight Cruising

084. GIGAHIKO - 夜間飛行

085. クーネル - 遮電心報

086. 終末のアンセム - 超新星☆益々!!

087. hallycore - THE IDOLM@STERS SHINY COLORS in Nyege Nyege Festival

088. 授郷市犬獄なつこを風化させない会 - 愛犬

089. ちふみぃ - 想像のきゅん

090. DARTHREIDER - 病院を攻撃するな!






【各曲の感想】


61. aa. - 声の色

1980年前後のブティックホテルに瞬間移動したような気分になる曲を量産し、「独断!日本の全音楽グランプリ2024」では「その理由」がベスト100に入ったaa.氏。新曲も圧倒的な心地よさのモコモコ感を堪能できる良メロ歌謡曲。


62. ICE BAHN - MAKE or BREAK

ベテランHIP HOPクルー・ICE BAHNのフレッシュな新曲。「韻守運転」のような勢いのあるビートに、畳みかけるような韻が素晴らしいです。


63. kaelanuhito - わたしはロボットではありません

ずんだもんに「わたしはロボットではありません」と言わせ、それをギタギタに切り刻む実験音楽。ボカロの無機質さを極限まで際立たせているのに、エモい曲を歌い上げさせたときを超える哀愁がにじみ出てしまう皮肉。


64. 矍鑠 - FM快運河

矍鑠「EXPO新潟」が良いvaporwave作品でした。2013年のThis Program is Brought to You, Bye.「群馬ハイヌーン」が好きなのですが、それに近い雰囲気がなんとなくあります。「EXPO新潟」というタイトルやアートワークから、昔の観光文化をvaporwaveの文脈に落とし込んだ作品ということがわかると思います。vaporwaveは消費文化の軽薄さを面白がる音楽だとすれば、これはその中でも観光文化の軽薄さを面白がっています。1986年頃に鈴木都政が世界都市東京というスローガンを好んでいたとき、「地域性」も地域の人が主体的に発信するものではなく、国が規定して進めていくものになってしまうというジレンマが発生ましたが、そのあたりの地方観光産業の空気感や気持ち悪さをゴースト化して現代によみがえらせている感じがします。「FM快運河」は交通情報を使っているのでSignalwave寄りですが、「EXPO新潟」に収録されることで、それ以上の奥行きが生まれています。ポスト産業社会では文化と経済がくっついてしまいます。地域の文化のぬくもり、人間味を育てるという感じのいい政府のレトリックは今、vaporwaveの題材としては最先端じゃないかと。そろそろ誰かに生活文化局をテーマにした作品を作ってほしいです。


65. WORK - The Piano

WORKの「Djennifer」はサンプリングビートにおける反復の気持ちよさが存分に味わえる傑作アルバムで、どの曲も陶酔感が高めで良かったですが、その中でも「The Piano」のソウルフルな感じが好きでした。


66. The Highneken - 京桥

軽快なギターと風通しの良いサウンドなのに、少し黒いグルーヴもあって良かったです。


67. ichiyon - Snow Without You feat. Emi Araishi

この歌声、最初はAIかと思ったのですが、人間でした。明るいけど少し哀愁があるメロディが良かったです。


68. Not Silence - サテライトの浜辺にて

フレンチディスコの要素に日本人特有のグルーヴを組み合わせた感じで、ありそうでないムードを放っています。良い意味で脆い感じのボーカルがクセになります。


69. TiDE - 色めき

爽やかな邦楽ロック一直線という感じで気持ちよかったです。


70. 冨田開登 - たかが音楽

複雑だけどポップな音作りを得意とする冨田開登氏の新たな傑作。要所要所に少し間抜けな音が入っていて、それが良い感じにネジが外れている雰囲気を醸し出していて一筋縄ではいかない感じがします。


71. OWC - もうなんにもいらない

コード、歌メロ、軽やかなサウンドがすべて噛みあっていて良いです。OWC氏は、いわゆる“諦念”のような感情をプラスに変換して表現するのが非常にうまいアーティストだと感じているのですが、その極地のような歌詞もドキドキするし、心配になりますが、不思議と元気をもらえます。


72. SAKUra - What 師 Said

2021年に奇跡の大名曲「漕ぎ出せ♪ショコラティエ〜これって恋ですか?〜」を生み出したSAKUraさんが今年も新曲を出してくれました。今回も「東北新幹線」でおなじみの天才職人・山川恵津子さんプロデュース。とにかくアレンジが巧みで極限まで何から何までノンストレスで、心地よさが半端ないです。


73. MAPA - Stay Away Labyrinth

「なんでもできそうな瞬間が好きなだけ」というフレーズとメロディが良いです。


74. 有安杏果 - Do you know

2019年頃にライブでお披露目されていたものの音源化されていなかった名曲「Do you know」がついにリリースとのことでおめでとうございます。YouTubeにアップされているライブ映像が素敵でしたが、そのときよりも若干ゴージャスになっています。メロウめなポップとして王道の良い曲です。


75. 友田オレ - 身を粉/MIWOKO(feat.ku-ten)

「君ほどの人はいない」で相性抜群だった友田オレさんとku-tenさんがまたやってくれました。聞き心地がよくて、心が軽やかになる、今の世を生きるのに欠かせない一曲。


76. 新内枝幸太夫 - ダンスィング・ゴリラ

伝統的な新内浄瑠璃の家元・新内枝幸太夫が45周年という節目に新境地としてレゲエに挑戦した珍曲。「マツケンサンバII」でおなじみの宮川彬良が手がけた妙にダンディなトラックと伝統の歌声がギリギリ化学反応を起こしておらず、「何かが弾けそうな気配」を醸し出したまま、ずっと平行して走っていく。これが絶妙なところをくすぐっていて、唯一無二のムードを醸し出した楽曲になっています。ちなみに「マツケンサンバII」がサンバではないように、これも本人はレゲエと言っていますが、レゲエではないと思います。とにもかくにも「新内枝幸太夫がレゲエに挑戦する」というすごい事件が発生しているのに、誰も騒いでないのはなんなのでしょうか。


77. Hey - マーライオン

Heyのアルバム「Murder at the Pool」が全体を通して非常に良かったのですが、その中でも好きなのが「マーライオン」でした。10年以上前からある曲のようなのですが、どんどん研ぎ澄まされて今に至る……という感じでしょうか。ノーウェイヴっぽさを感じつつ、オリジナルなユーモアがあります。


78. きだはしや - kid

何が良いのかうまく説明できないのですが、最高なムードが終始漂っている気がします。


79. きだはしや - 化けの皮 (feat. GOMESS)

トラックが骨太で好きなのですが、GOMESSさんの掠れた声のキレのあるラップ、きだはしやさんの無理やり詰め込んでいるようなラップがそれぞれ独自のグルーヴがあって、コントラストが良いです。


80. はるまき - キミノ成長地帯 feat. ナースロボ_タイプT

四つ打ちの曲を作るとき、バスドラムは鳴るべくズシンとさせたい派というか、それが醍醐味でしょとか思っているのですが、この曲を聴いたときは「そこまでズシンとしていない四つ打ちもたまにはいいのではないか」と思わされました。やや軽めのバスドラが木魚のようで、それに合わせて1文字ずつ歌われるボーカルもお経みたいで、途中に鳴る金も相まって、般若心経の最新版のようでした。


81. cosmosy - Chance

cosmosyは日本人4人組なのですが、K-POPシーンで活動しているので、「日本の全音楽グランプリ」に含めて良いのか微妙だったのですが、個人で勝手にやってるランキングで厳格な線引きを設けようとしている自分がキモく思えたため、深く考えず含めることにしました。K-POPのサウンドとしては王道なのですが、隙がない感じですね。


82. Uilou - To Me

Future Funkみたいな曲です。Future Funkは好きではないのですが、なぜかこの曲は好きでした。


83. ROBITAS - Midnight Cruising

夜のドライブに合いそうで良かったです。「夜のドライブに合いそうで良かったです」なんて感想、僕だって言いたくないのですが、本当に夜のドライブに合いそうなのでそういう言うしかないんです。夜のドライブに合いそうな曲は最高です。が、「夜のドライブに合いそう」という感想が世の中にありふれすぎていて、何も言ってないと一緒くらい価値の薄い言葉になっています。これ、どうすればいいのか。


84. GIGAHIKO - 夜間飛行

ギガファイル便の公式キャラクター・転送寺ギガヒコがリリースした新作EP「GigaFile 1st.zip」の収録曲。ギガファイル便に公式キャラクターがいることも、曲をリリースしていることもあまり知られていないのですが、「GigaFile 1st.zip」は良い作品でした。デビュー曲「アイノギガ」の出来が最悪で、点数にすると0点みたいな曲だったので、その時点で一切興味がなくなっていたのですが、なぜか急にクオリティが上がりました。調べたところ、「夜間飛行」はPlus-Tech Squeeze Boxのハヤシベトモノリ氏が手がけており、そりゃ良くなるよねと合点がいきました。 ちなみに未だにギガファイル便をビジネスシーンで使う人がいますが、他会社の人に送るには失礼すぎる広告量だと思います。


85. クーネル - 遮電心報

クーネルの1stアルバム「SENSORY DIARY」が非常に良かったです。皆さんにぜひ聴いてもらいたいです。その中でも「遮電心報」が好きでした。2000年代後半の良質なポップという感じで少し懐かしい手触りで。


86. 終末のアンセム - 超新星☆益々!!

2010年前後のアニソンっぽくて良かったです。ぶりっ子アイドルが増えて辟易しそうですが、こちらは燃えるような情熱先行型。ライブ映像が、熱量で突っ走ってる感じで素晴らしく、宝物のよう。


87. hallycore - THE IDOLM@STERS SHINY COLORS in Nyege Nyege Festival

ウガンダのアンダーグラウンドシーンの顔的なレーベル「Nyege Nyege Music」とアイドルマスターをドッキング。天才としか言えない驚異の発明。このジャケットを見たとき、嬉しかった。


88. 授郷市犬獄なつこを風化させない会 - 愛犬

「授郷市犬獄なつこを風化させない会」→アーティスト名100点、「恐怖の勝利」→アルバム名100点、「愛犬」→曲名100点…ということでワード周りが300点の曲です。サウンドは、童謡「さくらさくら」みたいなチープなシンセの音に、合成音声でエログロな文章を読ませ続ける。完全に終わってしまっているのですが、終わらせるのも難しいんです。


89. ちふみぃ - 想像のきゅん

弱弱しくて、夢みたい。


90. DARTHREIDER - 病院を攻撃するな!

HIP HOPは比喩表現の芸術だと思います。それなのに「病院を攻撃してはいけない」というあまりにも当たり前の倫理を比喩ゼロでリリックにしなければいけない状況に、なんだか泣きそうになってくるのです。Nasが「Hip Hop Is Dead」リリースしたのは奇しくも20年前の2006年ですが、ラッパーがHIP HOPを殺していた時代はまだ牧歌的だったとすら思います。戦争が比喩表現を、HIP HOPを、カルチャーを殺しているということを「病院を攻撃するな!」という叫びが間接的に表現しているような気がしました。本当に必要な作品。


2026年3月1日日曜日

「独断!日本の全音楽グランプリ2026」2月の良かった30曲


031.イワクニマユ - 誰も知らない

032.元松美紅 - alive

033.Green Curtain - ノクターンのピアノ

034.綿貫雪 - この世を使い果たして

035.cozmik - Blue Cat’s Secret ##EveryBodyGo!

036.Douglas - Speak Out Face

037.drop - 小さな悪魔

038.REKI - なんで?

039.FR2PON! - カンチガワナイ

040.鳥トマト - 限界!湯煙Lover

041.エルスウェア紀行 - のびやかに地獄へ

042.JiROMAN - Sunday Groove

043.SALADA - もやし

044.BePo - Leak

045.TIVE - SOWARIN’

046.Dexus Ogawa - こんな夜に

047.カブトムシ - Piece Of

048.Chara+YUKI - 背中にリボン

049.上に月 - パパイヤ風呂

050.orlik - 5O

051.夢結び - 真澄結び

052.nikiie - 全意中最前線

053.ZORN - 地元LOVE feat. 後藤真希

054.絵瀬庭歌 - 順風満帆

055.ティーイコールツー - 味噌カツ天むす

056.YMCK - 目抜き通りを歩きましょう

057.CAFUNÉL - シュレディンガーの猫

058.LET ME KNOW - Goodbye Daily

059.青屋夏生 - 健康診断終わったら絶対ラーメン食べよう

060.雅蓮 - こつこつ (feat. スミーキラー) [ばーじょん0]


【各曲の感想】

031.イワクニマユ - 誰も知らない

ピアノがコードを連打している感じが好きなのですが、それを堪能できました。


032.元松美紅 - alive

正統派の良い曲という感じ。春っぽいです。


033.Green Curtain - ノクターンのピアノ

最近のJ-POPでは珍しいタイプのメロディ運びで、流行ではないのですが、そこが独自性があって良かったです。


034.綿貫雪 - この世を使い果たして

綿貫雪さんはずっと独自の方向性を模索していて、それがここで1つ結実した感じのある名曲だと思います。


035.cozmik - Blue Cat’s Secret ##EveryBodyGo!

2月にリリースされたEP「コミュニティCure Cosmo: Awakening (155BPM)」は全体を通してよかったですが、その中でもこの曲が好きでした。


036.Douglas - Speak Out Face

ニューウェーヴやポストパンク系統の中でも、無駄なポップさがそぎ落とされていて、クールで良かったです。


037.drop - 小さな悪魔

途中から一定のリズムで入ってくるチープなシンセ音が好きでした。


038.REKI - なんで?

「yusei君にDM送る」のところのフローもいいし、「エロいこと」の拍の置き方もいいし、ラップが全体的にかなり心地よいグルーヴがありました。


039.FR2PON! - カンチガワナイ

だいぶダサくて結構ギリギリのところ攻めてると思います。キツいところというか、嫌いなところも結構あるのですが、めっちゃイケてるところもあって、次はどうなるんだろうというワクワク感があります。


040.鳥トマト - 限界!湯煙Lover

マンガ家の鳥トマト氏が「私たちには風呂がある!」のテーマソングとして制作した楽曲。マンガ家が自分の作品の主題歌も手がけるDIY精神がいい。少しチープでありながら、ソウルフルでもあり、この脱力感とグルーヴィーさの加減がかなりツボでした。


041.エルスウェア紀行 - のびやかに地獄へ

AメロとBメロの旋律が良かったです。


042.JiROMAN - Sunday Groove

音の質感は風通しが非常に良く、それだけだとスカした感じが鼻につくこともあるんですが、愚直なリリックがいい対比になっていて、温かく爽やかな印象でよかったです。


043.SALADA - もやし

2021年に「すき家の牛丼が食べたい」という曲で衝撃を与えたユニット。今回の曲は最凶の音圧でもやしの魅力を歌うという内容なのですが、「もやし」というワードが音割れしているのが面白いです。


044.BePo - Leak

ややGファンクっぽいリズムのビートがいいし、ラップと引き立て合ってて、良い化学反応を起こしています。


045.TIVE - SOWARIN’

この曲が収録されているEP「EFFECTIVE NIGHT」の全編通した映像があるのですが、それがとても良くて、なぜ600回くらいしか再生されていないんだろうと不思議です。


046.Dexus Ogawa - こんな夜に

ラッパー・GOODMOODGOKU氏のプロジェクト。浮遊感と地を這う感じが同居していて不思議な耳障りで心地よいです。


047.カブトムシ - Piece Of

ポップなのかポップではないのか、かなり絶妙なところをついていて、このバランスが相当渋いと思います。あと端々まで作りがすごく丁寧で、自分には到底できない凄みがある気がします。


048.Chara+YUKI - 背中にリボン

2020年以来となるタッグ。安定感があります。当たり前のように良い曲で、もはや誰も驚いてない感じ。それがすごいのですが。


049.上に月 - パパイヤ風呂

2026年という一番意味不明なタイミングで何故かVaporwaveが好きになり、最近よく聴いてるんですが、上に月「指宿ヘルスセンター」というアルバムが相当よくて、こんなに気持ちよい音があるのかと驚くほどでした。その中でも一番好きだった曲。


050.orlik - 5O

イントロで鳴っている不穏なピアノやギターの音が、ドラムの轟音に包まれて、1つの濁流のようになっていくサウンドが気持ちよいです。MVも素敵で、なぜ2週間で80回しか再生されていないのか、不思議な気持ちになります。


051.夢結び - 真澄結び

組紐や着物などの和文化に関するサービスを提供している教室「真澄結びのKTP」が制作した楽曲。いわゆる“企業系”の楽曲には隠れた名曲があり、これもその類です。


052.nikiie - 全意中最前線

2010年のデビュー以来、16年にわたりファンだといっても過言ではないシンガーソングライター・nikiieさん。16年間に出した曲の中では一番若いのではないかというくらい、みずみずしい四つ打ちでビックリしました。


053.ZORN - 地元LOVE feat. 後藤真希

後藤真希が参加するということで、ZORNの楽曲の中でもかなりポップなメロディだと思うんですけど、若干コードが不穏な感じも保っていて、一筋縄ではいかない感じがよかったです。韻の踏み方は言わずもがな。


054.絵瀬庭歌 - 順風満帆

2023年の1位だった「宇宙人Q」を歌った絵瀬庭歌の新作「結局ロックって何なんだよ」が素晴らしかったですね。本当に全曲よかった。その中でも一番好きだったのが「順風満帆」でした。疾走感のあるトラックにパッションしかない不安定な歌声が乗っかって、刹那的な輝きがすごいです。


055.ティーイコールツー - 味噌カツ天むす

「味噌カツ」「天むす」は名古屋名物というイメージがありますが、実際は三重の津が発祥なのだと主張する曲。確かに名古屋名物だと思っていたので、「へー」という驚きがありました。自分も静岡・浜松市に対して、「餃子日本一は栃木・宇都宮だ」と主張する曲を作ろうというアイデアを形にしようとしていた時期があったのですが、満足するカッコよさや面白さが出ず、断念していました。なので、こういう内容をここまでカッコよく面白く仕上げるのが本当にすごいことなんだと身に染みてわかります。HIP HOPの「地元を上げる」ってやっぱりこういうことですよね。口先だけのレペゼンじゃなくてガチガチなのが最高です。


056.YMCK - 目抜き通りを歩きましょう

安定すぎるYMCK。ここまでオリジナルのスタンスをブラさずに良曲を量産し続けているのはYMCKか人間椅子くらいなのではないかと思ってしまいます。何故ここまでブレないのだろう?


057.CAFUNÉL - シュレディンガーの猫

リズムやメロディにどこか危うい部分があり、でもすごく気持ちよいポップさを保っていて、魅力的です。


058.LET ME KNOW - Goodbye Daily

1990年代の質感が流行りですが、その中でもこの曲は秀逸だと思いました。Official髭男dismくらい急に売れそうです。


059.青屋夏生 - 健康診断終わったら絶対ラーメン食べよう

こんなに「生活から生まれている」のが丸わかりな曲、なかなかないと思います。一般市民の生活から生まれた曲が大好きなので、こういう曲は本当にツボです。涙が出そうになるんですよね。健康が大切だし、おいしいものも食べたいし。我々30代って実際はそれしかないと思うんですが、それが曲になることってあまりない。でも曲になってるんです。しかも大名曲。泣くしかないんです。


060.雅蓮 - こつこつ (feat. スミーキラー) [ばーじょん0]

サウンド、歌詞、ジャケットすべてが衝撃的でした。「毎日コツコツ 地味にコツコツが大事」という素晴らしいメッセージを放ったあと、「報われますように」と祈りのタームに突入するのが泣きそうになるんです。これも生活から生まれた音楽だと思います。


2026年2月1日日曜日

「独断!日本の全音楽グランプリ2026」1月の良かった30曲


001.バイレファンキかけ子 - ピュン

002.松岡宮 - 癌の特効薬を捨てる

003.須田洸 - かみさまのうた

004.せろとにんぺーたーぜん - いろいろアロワナ (feat. Mr.ワイ)

005.SUPA DUPA RAP BROS. - TIME TO PARTY (feat. Mie)

006.Thriver - ありがとう番長

007.BABA - 雨

008.ゆうべの星 - ゼログラビティ・ラブ

009.REBEL REBEL - 恋はバーチャル

010.aiko - 消しゴム

011.雨宮未來 - morse

012.hitomi - Stand by...

013.arko lemming - ムーンライド

014.トピアマルピピ少年団 - 路地裏シティーボーイロマンス

015.シャノン - はたらく音声

016.bb cream ljk - 土星の円盤は何色

017.PIYOPIYOPI CASTLE - 101回目のお客様

018.坂本慎太郎 - 麻痺 (Numb)

019.thinsa - Magic Shoes

020.ナース - FLOATING WHALE

021.mimi kiddy - I am ME?

022.Wash feat.温水(ON-SUI) - キミWash

023.luvliminall - chikaku

024.彩華すゞり - アイアソビ

025.HannodaTaku - Shuffle Blend - 7

026.ペンフレンド - GOOD

027.Otaco - かっこいいつきあいたい

028.長澤玲実 - White Block (JAGA RECORDS mix)

029.Masato Hayashi - HIROYUKI

030.美音 - lonely but happy



【各曲の感想】

001.バイレファンキかけ子 - ピュン

ビープ音が楽しくてかっこいい。新年から景気が良いです。


002.松岡宮 - 癌の特効薬を捨てる

私が尊敬する詩人の1人、松岡宮さんの新曲。親が通販で買った癌の特効薬を捨てる曲。「買ってすぐに死んでしまったので、何箱も余ってしまいました。私はずっとそれを捨てられずにいましたが、このたび勇気を出して捨てることができました。その記念として書いた作品です」とのこと。ちなみに松岡さんの「謝れ職業人」は私の心のよりどころ、指針になっている詩です。


003.須田洸 - かみさまのうた

メロディが怪しげだけど光も感じられる絶妙な温度感で良いです。


004.せろとにんぺーたーぜん - いろいろアロワナ (feat. Mr.ワイ)

チープなスラップベースが一定間隔で鳴り響いているところに、奇妙な合成音声でナンセンスな歌詞が載せられる感じがクールでした。令和のアンダーグラウンド童謡みたいな感じでした。途中から声が震えだすのも面白い。


005.SUPA DUPA RAP BROS. - TIME TO PARTY (feat. Mie)

自然に体が乗り出す感じで良かったです。


006.Thriver - ありがとう番長

パチスロ「押忍!番長」に感謝する曲。「押忍!番長」で当たり、プラス収支だったようです。自分はギャンブルを一切しないので、違う種類の人間の曲という感じで楽しいです。あとトラックが非常に軽快でこちらも自然に体が乗り出します。


007.BABA - 雨

轟音のようにリバーブがかかったギターの音色が夢の中にいるみたいで、陶酔感があります。「雨」というタイトルですが、雨上がりの夕焼けのようなAメロ(?)が好きでした。


008.ゆうべの星 - ゼログラビティ・ラブ

バンド・ゆうべの星がまさかの全曲レゲエ曲で揃えたニューアルバム「タイム タイム」が作品全体を通して素晴らしかったですが、その中で一番好きだった曲です。


009.REBEL REBEL - 恋はバーチャル

哀愁と焦燥感を感じるメロディがよかったです。


010.aiko - 消しゴム

初期のaiko感がある名曲。メロディがかなり複雑というか、aiko節が炸裂しまくっていてすごかったです。


011.雨宮未來 - morse

NaNoMoRaLの雨宮未來さんのソロ曲。NaNoMoRaLの曲もそうですが、この底抜けに明るい歌声が元気出るんですよね。明るいからこそ、ちょっと哀愁のあるメロディとの相性が抜群で、この曲はまさにそんな感じでツボでした。


012.hitomi - Stand by…

昔からけっこうhitomiが好きでして、この曲はatamiにhitomiがゲストボーカルとして参加した2003年の名曲「エレファントラヴ」に似た空気を感じました。こういう唯一無二の歌声はやはり良いです。関係ないですが矢井田瞳も好きです。


013.arko lemming - ムーンライド

toldのベース、0.8秒と衝撃。のドラムなどを担当している有島コレスケさんのソロプロジェクト・arko lemmingの(恐らく)久々の作品より。優しさと色気が同居しているアーティストです。


014.トピアマルピピ少年団 - 路地裏シティーボーイロマンス

メンズアイドルユニット・トピアマルピピ少年団が急に生み出した名曲。メンズアイドルユニットは時たま、小賢しさ、小難しさ、センスの押しつけなどが一切ない、ただただポップな名曲を繰り出してくるときがあり、真の音楽ディガーだったらここを見逃しちゃダメなんですよね。


015.シャノン - はたらく音声

すでにとんでもない再生数になっているボカロの新たな名曲。切ない感じが良いです。


016.bb cream ljk - 土星の円盤は何色

こちらはまだ50再生以下のボカロ曲ですが、曲の出来だけでいえばシャノン「はたらく音声」と同じくらい再生されていないとおかしいクオリティの作品。ザクザクと進んでいくトラックが気持ちいいです。


017.PIYOPIYOPI CASTLE - 101回目のお客様

これはすごい。不思議なパッションで進んでいくピアノの弾き語り曲。リズムもつんのめってます。ジャンルでいうとアウトサイダーアートやスカムミュージックの類になるのかも思うのですが、そう位置づけるのが失礼かなと思うくらい、真正面から良いです。日本のどこかの家でひっそりと生み出されていた異形のオペラという感じ。


018.坂本慎太郎 - 麻痺 (Numb)

一見冷めてるけど、奥底ですごく小さな炎がメラメラしている感じでとても気持ちよかったです。「遅いよ」という感じかもしれませんが、坂本慎太郎さんの良さが最近やっと身に染みてわかってきました。


019.thinsa - Magic Shoes

リズムが気持ちよさと気持ち悪さの間の絶妙なところを突いていて面白いです。スカスカの音もリズムの奇妙さを浮きだたせている感じです。


020.ナース - FLOATING WHALE

昔のゲームの効果音が反復される感じが気持ちいいです。


021.mimi kiddy - I am ME?

曲もMVも洗練されている。あるきっかけでとんでもなく売れてしまうんじゃないかという4人組。急に新しい学校のリーダーズくらい売れてもおかしくない感じがします。あと顔を隠す被り物が少しsatanicpornocultshopを感じました。


022.Wash feat.温水(ON-SUI) - キミWash

トイレ関連機器メーカーで構成される業界団体「日本レストルーム工業会」が制作したキャンペーンソング。温水洋一さんのスムースなラップが聴ける貴重な曲なのですが、まったく話題になっていないところ含めて最高です。普通にトラックの壮大さも良く、2050年代頃にレアグルーヴとして発掘・再評価される気がします。


023.luvliminall - chikaku

ギターの疾走感とせわしない感じ、詰め込みすぎないボーカルの対比が良い味を出しています。


024.彩華すゞり - アイアソビ

書道系VTuber・彩華すゞりのキャラソン的な感じの曲。王道の四つ打ちでそつのない出来で、このクセの無さが心地よいです。


025.HannodaTaku - Shuffle Blend - 7

ギターの音を細かく刻みに刻みに刻みまくって、それを音の洪水にしましたみたいな感じの作品「Shuffle Blend」の中の1曲。音の万華鏡というか、音の紙吹雪というか、そんな感じの美しさがあります。


026.ペンフレンド - GOOD

メロディが王道かつ良すぎてポップソングとしての強度がすごい。


027.Otaco - かっこいいつきあいたい

「かっこいいつきあいたい」の声が陶酔感があって良いです。


028.長澤玲実 - White Block (JAGA RECORDS mix)

カルビーポテトチップスうすしお味の咀嚼音を使用した曲。ほんのちょっとだけJames FerraroやEyelinerっぽさがあって良かったです。そんな「っぽさ」」は無いと言われても、僕が感じたのだからそうなんです。


029.Masato Hayashi - HIROYUKI

Masato Hayashiさんはもちろん昔から存じ上げていましたが、「ラップスタア誕生」ですっかり好きになってしまいましたね。特にキャンプステージで披露した「HIROYUKI」がヤバすぎて音源化を待ち望んでいましたがやっときました。


030.美音 - lonely but happy

2000年代のR&B風J-POPの流れを汲んだ、かなり王道のポップソング。R&Bっぽさは完全に漂白されて、ただただ爽やか。音としての主張は控え目ですが、ショッピングモールに向かってる途中の車内でラジオから流れてきたら、なんか沁みちゃいそう。