2024年5月3日金曜日

【音楽ディープスポット(2)】V.A.「BACKEN RECORD vol.1」

芸能スクール「アクターズスタジオ」のレッスンの一環で制作された非売品のCD作品がなぜか2023年4月にリリースされました。秘蔵音源ということです。


V.A.「BACKEN RECORD vol.1」

https://ototoy.jp/_/default/p/1613034


この「BACKEN RECORD vol.1」にはレッスン生4人のオリジナル曲が収録されています。「世に出さないから」という意識があるのか、あまり気合いが入ってない音質や曲の作りですが、とにかく「平成時代のチープなJ-POP」の雰囲気が強烈で、普通にリリースされている曲よりも当時の生々しい空気感がパッケージングされています。初めて聴く曲なのに、どんな曲よりも2000年前後の記憶が呼び起されます。これが正真正銘、本物の「平成レアグルーヴ」といえるでしょう。


ちなみに「BACKEN RECORD vol.13」にはレッスン生時代の西島隆弘、三浦春馬、工藤大輝が参加しており、高値で取引されています。


【音楽ディープスポット(1)】YURIE「オ​マ​エ​モ​ナ​ー」

日々、ディープな音楽に出会っていますが、それを紹介する場所が一切なかったので、今後はこのブログでちょこちょこと紹介できればと思います。


第1回の作品は2023年3月にリリースされたYURIE「オ​マ​エ​モ​ナ​ー」。

タイトルの通り、「オマエモナー」のAAを5等分にスライスして、それぞれを曲にした5曲入りの作品です。



何を言ってるのかわからない人にもう一度説明します。





オマエモナーを用意します。


  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

( ´∀`)< オマエモナー

(    )  \_____

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(__)_)





それを5等分にスライスします。



  ∧_∧



( ´∀`) <ギャー



(    )



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(__)_)




↓5つをそれぞれ曲にします。

https://yurie.bandcamp.com/album/-


何がすごいかって「アルバム情報」という視覚的な要素を用いて、「モナーをバラバラに切断したら、各部から音楽が鳴り出した」みたいなストーリーを疑似体験することも可能なんです。これは非常にファンタスティック。3曲目を聴きながら「モナーのお腹、カッコいいなあ」なんて感想を言えるわけです。曲を聴いて「モナーのお腹、カッコいいなあ」という感想は普通出ないので、かなりアヴァンギャルドな体験です。


John Oswaldが既存の音楽をギタギタに引き裂いて再構築するという手法でサンプリング文化に大きな影響を及ぼしましたが、それ以来の発明じゃないかなと思います。「アルバム」という枠組みを使えば、音だけでなく、キャラクターも視覚的に切り裂けるとは。当たり前ですが、音楽って音だけじゃないんですね。