2021年6月29日火曜日

HASAMI group「Recapture」の一音一音をより深く味わってみよう

今回はHASAMI groupの楽曲「Recapture」の音を5つにグループ分けし、それぞれの音をじっくり聴いていただきながら、曲が完成する過程を追体験していただこうという試みです。私は音楽理論を勉強したことがなく我流なので、アカデミックな解説はできませんが、HASAMI groupの楽曲ができていくまでを感じていただき「ここでこんな音が鳴っていたのか」という発見もあったらうれしいなと思う次第です。


【部品①ドラム+ベース】

曲の軸となるリズム部分です。HASAMI groupのバスドラムは3種類のものを同時に鳴らして、より心臓にドスンとくるようにしているものが多いです。また裏拍にも小さく4種類目のバスドラムを鳴らし、グルーブに深みをつけています。この方法で本当に深みがついているのかはわかりません。


【部品②ピアノ】

この曲の肝となっているメインのピアノの音です。打ち込みにありがちな正確すぎる連打は避けられる傾向にありますが、僕は積極的に「不自然な正確さ」を採用しています。そのため、音の強弱をつけたり、タイミングを少しズラしてグルーヴ感を作ったり……という作業は敢えてしていません。これがHASAMI groupの持つ不自然さ・不気味さの一端を担っているかもしれませんが、別にそんなことはない可能性も考えられます。


【部品③エレキピアノ+キーボード】

HASAMI groupの楽曲はピアノを2~3種類組み合わせて使うことが多いです。部品③のトレモロがかかっているエレキピアノは部品②のメインピアノほどよくは聴こえませんが、裏で密かに鳴らせることで、メインピアノに深みとまろやかさを与えています。逆にキーボードはピアノというよりもビープ音に近く、敢えて耳にツンと来るように高音を利かせています。この2つを加えることで「まろやかさ」「尖り」を同時に実現していますが、「実現していない」と言われたら、そうなのかと思うしかありません。


【部品④シンセ(2種類)】

HASAMI groupの楽曲のキラキラとした雰囲気を担っているのがシンセです。使用しているソフトの中には大体150種類ほどシンセの音があり、その中から各楽曲に合いそうな音色を選んできます。シンセには浮遊感や陶酔感を出すため、エコーやリバーブを深めにかけていることが多いです。この行為に本当に意味があるのか定かではないのですが。


【部品⑤ギター風ノイズ】

HASAMI group特有のザラザラとした触感を出すために欠かせない音です。実態はギターの音を再現しているシンセなのですが、ザラザラさせすぎてギター感はなくなっています。「病気が治ったら」「summer」「夢の泡立ち」など多くの曲に採用されていますが、毎回、音域やエフェクトを微調整していて、1つとして同じ音はありません。あるのかもしれませんが、あまり深く考えないようにしています。


【部品①~⑤をMIX】

①~⑤を絶妙にバランス悪い感じにMIXしてトラックが完成です。バランス良くしてもつまらないのでちょっとぶつかり合ってるくらいにしていますが、そのときに心がけているのは「妙に気持ちの良いバランスの悪さ」です。これはあくまで自分にとっての感覚的なものなので、耐えられない人もいるかもしれませんが。


【歌を入れて完成】

あとは素敵な歌詞とグッとくるメロディを加えて完成です。「Recapture」が出来があるまでの工程はいかがでしょうか。ぜひ完成品も後ろでうっすらと鳴っている音に耳を傾けてみてください。


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