2020年7月18日土曜日

2020年の日本の音楽を聴く(22)5月31日~6月6日

俺がNHK教育で番組を作るとしたら…
幼児向け知育番組「にゅ~ぱっぱ」

【この週に聴いた作品】
神谷操「MAYA」
マルオ with the Clutch Players「Family Business」
柏原芳恵「KU・ZU ~ワタシの彼~」
Teen’s Heaven「Little Hero In Your Heart」
The SKAMOTTS「Pleasure Isle」
ERROR「TRIGGER」
go!go!vanillas「アメイジングレース」
川嶋あい「針の穴」
milet「eyes」
plane「2020 TOKYO」
松井祐貴「You Made My Day」
ACIDMAN「灰色の街」
TACICA「aranami」
SARD UNDERGROUND「これからの君に乾杯」
Creamcan.「Mountainy」
Johnnivan「Students」
TAMTAM「We Are the Sun!」
EASTOKLAB「Fake Planets」
ステレオガール「Pink Fog」
COM.A「FUCK DREAM AND KILL HOPE」
YONA YONA WEEKENDERS「街を泳いで」
沢田知佳「世界は一つの花になる」
特撮Boyz「無敵バトルクライ/Re:ALIVE!」
さなり「Hero」
原摩利彦「PASSION」
C;ON「My yard」
maca miura「海風」
平川地一丁目「時のグラデーション」
論理「論理」
FreeButSharpPain「FALL INTO REVERIE」
西邑亘弘「ひとりでに」
Lil Steez「systur」
左右田靖大「A Portrait of Impulse」
水野佳「2」
Snail's House「Twinklestar」
大橋歩夕「MAVERICK (Original Spooky Mix)」
Momose101「逆行」
おはようございます「極普通」
笑方箋「笑」
三浦透子「ASTERISK」
Cutemen「2121」
simpatix「いたいあまいキス/すき、いまあいたい」
Yohji Igarashi「LOVE」
RY's「ハルオケ♪」
五十嵐浩晃「LOVE SONGS LETTER」
…ほか多数

【この週のよかった曲】
おはようございます- 極普通
「本人は奇を衒ってるつもりだが、実は今流行している“狂気”に乗っかってるだけ」というアーティストは結構いる。“オリジナリティが無い狂気きどり”になってしまっているのは恥ずかしい。それを本人に指摘するのは野暮というものだが、おはようございます「極普通」はそれを恐ろしいくらい指摘してしまっている。震えあがる。
もちろん楽曲のメインテーマは「普通であることを誇ろう」「普通を極めるのもカッコいいんだよ」といった感じなのだが、それと対比する「普通を見下している自称異端」「本人は狂ってるつもりのフェイク」への攻撃がすさまじい。
「VaporwaveのMS明朝だって今やありきたり」「アブノーマル風なノーマルじゃ満たされないとスーパーノーマル中のノーマルな人間が言っている」「過激なだけで中身がねぇ 辛さに調子こいたカレーのよう」「安上りな狂気と性」など、狂人気取りの人々に相当ムカついてるんだろうなというのが歌詞からもビンビンに伝わってくる。
ミュージックビデオも「ぶっ飛んでるっぽいけど、実はありがちなやつ」になっていて、今一番ダサい感じになっているのだが、コメント欄にはそれが伝わってないと思われる人が散見されて頭が痛くなる。「曲カッコいいしMVもカッコいい」「00年代のFLASH作品みたいなMVすごく刺さる」は果たしてどうなのか。

Cutemen - 2121
BUCK-TICKみたいなメロディのテクノ歌謡。「培養液の中で君にキスする夢を見る」というフレーズは100点。いや、101点。

simpatix - すき、いまあいたい
名曲とは「サビ後の間奏がよくて、そこで感情が一気に揺さぶられる曲」なのではないかという持論を持っている。当たり前にサビに盛り上がりのピークを持っていこうとするけど、実はサビをピークにしなくてもいいんじゃないかと。
サビで感動100%にしようとするよりも、サビで感動90%台まで持っていって、間奏に入る瞬間に100%にしてイカせるのが一番気持ちいい。なぜか。SEXがそうだからだ。射精直前の気持ちいいピストンがサビだとしたら、100%(射精)に到達した時点でサビは終わる(男性目線でごめんなさい)。
その点で「すき、いまあいたい」はとてもキモティー。サビで限界まで盛り上がりきらず、”盛り上がりの寸止め”みたいにしていて、サビを歌い終わった後に哀愁漂うシンセの音が入ってくるとことでこちらの感情をもっとも揺り動かす。
この理論は自分の曲でもよく採用しているのですが、確かにそんな感じしないでしょうか。皆さんはどう思うか? 
HASAMI group「病気が治ったら」(2:50~)
HASAMI group「LADY」(1:34~)

RY's - A Lily
RY'sというアイドルグループのミニアルバム「ハルオケ♪」の中に入っている、ピアノが弾けるメンバーのピアノソロ曲。こうのってありますよね。乃木坂46のライブでも、生田絵梨花さんが1人でピアノを弾く場面があるのですが、どんな感じで聴いていればいいのかわからないオタクたちが笑顔と真顔の中間みたいな妙な表情でズラッと棒立ちしていて、いつも吹き出してしまいます。
この「A Lily」もそういうオマケ曲なのかと思ったのですが、それにしてはやたらといい。RY'sがアイドルとクラシックを融合させるというコンセプトのグループなので、要所要所にクラシックの名曲のフレーズが入ってくるのですが、それがうまくまとまっていてなんとも感動的。ピアノ曲としてめちゃめちゃ出来がいい。もしもピアノが弾けたなら……なんて考えちゃいます(笑)。

笑方箋 - 笑
今年ぶっちぎりナンバー1の激ヤバ曲がついに出てきてしまいました。「誰かが、ただひたすら “笑っているだけ”の楽曲を作りたい!!」との思いで制作されたこの曲のタイトルはズバリ「笑」。ユニット名が「笑方箋」なので、アーティストの名前と曲名を表記しようとすると、この時点で「笑」が2回出てくる。
曲とMVの凄まじさは、もう見てください聴いてくださいとしか言えないです。後半に畳みかけというかラッシュがあるのですが、あまりにも素晴らしすぎて、その日の体調によっては発狂するかもしれません。
曲だけじゃなくて、商品、番組、書籍など、あらゆるものはヤバすぎると世に出ないんです。作っている最中に誰かが「これはさすがにヤバいんじゃないでしょうか」と言って止めたりするもんです。そういう意味では、こんなにヤバい曲が、あらゆるストッパーを潜り抜けて世に放たれたのはかなりすごいこと。全裸の不審者が奇跡的にあらゆるものをすり抜けて安倍首相の自宅の寝室まで到達できたくらいの快挙だと思います。それを感じながら聴いてほしいです。

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